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2018世界卓球ハルムスタッド大会速報

予選グループ第3戦のイングランド戦で敗れた日本男子チーム。卓球というスポーツの母国に喫した痛恨の敗戦。日本男子には、どこかに「ヨーロッパ勢には、競っても負けない」という慢心があったのではないか。

試合後、倉嶋洋介監督は「張本を3番に置いて、丹羽を2点使いにするか、最後まで迷ってしまった」とイングランド戦のオーダーについて言及した。
丹羽は過去の国際大会で、ドリンコールに2戦2勝、ピチフォードに3戦3勝。試合前も「丹羽の2点起用は堅い」と感じていたが、結果的に丹羽は3番。「(ウォーカーは)イングランドの3人の中で一番やりにくい相手だった。直前までぼくが2番手で出ると思っていたけど、(オーダーが)変わって、智和もぼくも心の準備ができなかった。相手の勢いに負けた感じです」。試合後、丹羽はオーダーに感じた戸惑いを率直に口にした。

結果論でオーダーの問題点を指摘するのはたやすいことだが、「サムソノフに勝った勢いで、智和をもうひと伸びさせたかった。ワールドチームカップで負けていたピチフォードにリベンジできれば、さらに伸びると思った。彼はチームカップで負けていた黄鎮廷と荘智淵にアジアカップで勝っていましたから」と語る倉嶋監督は、張本の可能性に賭けた。すべては監督の決断だ。ただ、世界団体初出場の14歳の起用は、諸刃の剣でもあった。

2番でピチフォードに敗れた張本は、試合の中盤から表情が曇りがち。「まさか前回よりひどい試合になるとは思わなかった。出足でアンラッキーポイントは多かったけど、それにしても本当にひどい試合でした」と試合後に言い切った。ミドルやフォアを突いてピチフォードを揺さぶりたかったが、逆にそれをやってきたのはピチフォード。ラストでもう1回コートに立ち、名誉を挽回してほしかったが、その機会は与えられなかった。

水谷はトップで競り勝ち、さすがエースというところを見せたが、4番のピチフォード戦は「戦術マスター」水谷ならば十分に勝機のある一戦だった。
「点数をつけるとしたら40点くらいですね。接戦になれたのが不思議なくらいで、自分の練習してきたことが生かせずに悔やまれます。ピチフォードは最初は良くて、ついていくのが精一杯で、4、5ゲーム目は相手もすごく緊張してきて凡ミスが多くあったのに、そのチャンスを自分が生かせなかった。最後の8-9、8-10の時もチャンスボールを入れにいってしまった。強く打てるボールを打てなかったのが自分の弱さ。自信がなかったですね。チャンスボールだったのに、一本もミスできないというメンタルの弱さが出た」(水谷)

日本男子は悔しい夜を迎える。明日は予選リーグのもうひとつの大一番、チャイニーズタイペイ戦が控える。チャイニーズタイペイも1位通過は厳しい状況だが、2位通過と3位通過では決勝トーナメントの対戦相手が大きく異なる。ベストのオーダーで臨んでくるだろう。予選グループの残り2試合、チームも難しい舵取りを迫られる。それでもエース水谷は「これからは1試合も負けられないので向かっていくしかない。予選を上がって、1回勝って、メダル決定戦をやりたい」と前を向く。あとは残る試合、目の前の一戦一戦を勝ち抜いていくだけだ。
  • 3番ウォーカーが丹羽に勝利した瞬間

  • ミックスゾーンで取材に答える日本男子の3選手