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2018世界卓球ハルムスタッド大会速報

 世界団体6回目の出場となる石川、世界選手権初出場の長崎とともに、団体メンバーの中核となるのが伊藤美誠・平野美宇・早田ひなという高校3年生トリオだ。

 「高校3年生トリオで世界戦を戦えるのはめちゃくちゃ楽しみですね。小さい時から切磋琢磨してきた仲間なので、本当に夢みたい。小さい頃から一緒に出たいと話していました。これが早いのかどうかわからないけど、10代から一緒に出られるのは光栄です。小さい頃から目標だった石川さんと3人でチームを組めるのも幸せですね」。コメントを求められた伊藤は少し興奮した面持ちで語った。世界団体を前に「めちゃくちゃ楽しみ」というのがいかにも伊藤らしい。
 16年リオ五輪準決勝のドイツ戦トップでゾルヤに痛恨の逆転負けを喫しながら、それをバネにひと回りもふた回りも大きく成長した伊藤。「リオでも団体戦を体験できているので、3人同世代だけど、そこは引っ張っていくという思いでやりたい」と少しだけ「お姉さん」な一面をのぞかせた。

 今年3月でJOCエリートアカデミーを1年早く修了し、プロ選手としての第一歩を歩み出した平野美宇は、「エリートアカデミーを卒業してもここに泊まっているし、プロ選手になっても変化はそこまでないかなと思います」と彼女らしいコメント。しかし、「長いラリーでも体勢が崩れないことを目標に頑張っています。練習でもふたりのトレーナーを相手にしたり、多球練習などで自分の限界をどんどん広げていけたらいい」と成長への意欲も見せた。
 16年の世界ジュニア団体戦では、8戦全勝の活躍でチームを優勝に導いた伊藤、決勝3番で貴重な勝利を挙げた早田に対し、平野は最後まで調子が上がらなかった。「3人の団体戦で優勝している時はいつも私は活躍していなくて、美誠ちゃんに頼っていた。去年のアジア選手権の団体戦で、初めて美誠ちゃんの足を引っ張らずに決勝まで行けたので、今回もチームに貢献できるようにしたいですね」(平野)。

 公開練習で中陣から強烈な両ハンドドライブを打ち込んでいた早田は、男子選手にも打ち負けないすごいパワーを見せていた。「自分はもともとラリーでの両ハンドドライブの得点率が高いですが、卓球はサービス・レシーブから始まるので、サービスから3球目・5球目、レシーブから4球目・6球目というところで安定してコースを突いて、より質の高いボールを送ることを意識しています」(早田)。台上での細かいテクニックとチャンスメイクの幅が広がれば、鬼に金棒だ。
 早田は「自分たちより年下の長崎選手が選ばれたことで、自分たちが一番年下ではいられないという責任感を感じています」とも語っている。団体5番手に15歳の長崎が選ばれたことで、高校3年生トリオも気持ちが引き締まる部分はある。今回の日本女子は、いろいろな意味でバランスが良い。

 最年少の15歳、長崎は初々しさと同時に、こんな冷静なコメントが印象的だった。
 「平野さんや伊藤さん、早田さんは小学生時代から強くて、お互い良いライバルとして強くなってきた。私はそれに比べると、同い年の中では独走していた感じなので、「もっと頑張らなきゃいけない」という悔しい気持ちの中で頑張ってきた点では、(平野・伊藤・早田のほうが)自分より経験値が多い」。非常に客観的かつ冷静な自己分析だ。「五輪出場は3人だけなので、年下だからと言って遠慮せず、もっともっと頑張っていきたい」(長崎)。今大会での経験は、彼女の将来にとってかけがえのないものになるだろう。
  • 団体戦に燃える伊藤。今大会も活躍に期待

  • 平野が爆発すれば、日本女子はひとつ上のステージに行ける

  • 男子顔負けのパワーを誇る早田

  • 2人のトレーナーにフォアハンドを打ち込んでもらい、練習に励む長崎