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2018世界ジュニア選手権大会

強烈なチキータを放つ選手が揃う、ヨーロッパの暴れん坊・ルーマニアに3−0で完勝した日本男子。チキータが得意な「ルーマニア封じ」の作戦として、田㔟邦史は右利きのふたり、2番田中と3番戸上に対して「フォア前&バック深く」という、明快なサービスの指示を出した。このシンプルな戦術で「頭が冷静になった」と試合後に戸上は語った。

一方で2番田中に対しては、フォア前へのサービスは中盤から巻き込みの逆横回転サービスに変えさせた。プレテアが(フォア前の)逆横回転サービスに対して、ほとんどチキータをせず、ストップでレシーブしてくることを把握していたからだ。数多くの国際大会に帯同し、警戒すべきルーマニア選手の試合を何度も観てきた経験が生きた。

田㔟監督のベンチでの指示は、サービスの球種とコースに関するものが多い。その理由について聞いてみると、「サービスでの得点率が上がれば、レシーブは自分の好きなことができる。レシーブは相手のあることだし、長短も読めないですが、サービスは自分で好きなようにできる。まずはサービスからの得点率が大事かなと思います」。

「ルーマニアは一番嫌な相手だったけど、だからこそ一番情報を持っていたのもルーマニアかもしれない」(田㔟監督)。難敵・ルーマニア戦の勝利は、田㔟監督が数多くの国際大会を転戦して収集した情報と、それを解析できる戦術眼の勝利でもあった。選手とベンチが一体となっての快勝だった。
  • 戦術をシンプルにして、選手たちの緊張をほぐした田㔟監督

  • 強打者のプレテアに対し、田中はフォア前へのサービスを有効に使った