今大会の世界ジュニアのシードを決定するシーディングには、「スペシャル・シーディング」という特例が適用されている。U18のランキングポイントの対象大会への出場が4大会に満たない選手で、U21の世界ランキングが30位以内、あるいはシニアの世界ランキングが100位以内の選手に対しては、特別なシードを与えるというものだ。
日本は男子の田中、宇田、戸上、女子の4選手全員がスペシャル・シーディングの対象となり、シーディングに使われるU18のランキングより高い位置のシードを獲得できた。たとえば長崎はU18の世界ランキングは41位だが、シニア(37位)・U21(5位)の世界ランキングによって第4シードになった。
「今回の代表選手はジュニアの大会に全然出ていないので、スペシャルシーディングがもらえていなかったら、団体戦の第4シード以内には絶対入れていないと思います。ちゃんとルールを把握して、ちゃんと申請していたのは良かった」と日本女子の渡邊隆司監督は語る。「他のチームのコーチでは、知らない人も多かったですから。申裕斌(韓国)のコーチもワールドツアーで会って聞いてみたら『何それ?』という感じでした」。
準々決勝からの登場で、1勝でメダル確定というのは少々実感に欠けるが、スペシャル・シーディングという特例をしっかり味方につけた日本チーム。一方で、この特例に関するITTFのアナウンスは、まだ十分とは言えないようだ。
また、各年代別にランキングポイントを与える現行の世界ランキングシステムでは、世界ジュニアはいくら活躍してもシニアのランキングに反映されない。シニアで活躍するジュニア選手にとってはメリットの少ない大会になり、林昀儒(チャイニーズタイペイ)などの強豪がエントリーしなかった大きな要因になっている。