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平成30年度全日本選手権速報

 大会3日目の最終種目、男子ダブルス3回戦が終了し、ベスト32が出揃った。惜しくもこのラウンドで敗れてしまったが、地元・近畿の兵庫代表として出場している元日本リーガー・立松圭祐(立松卓球スクール)が吉田和也(神戸TC)とのペアで、活きの良い大学生ペア相手に健闘を見せた。

 現在はともに兵庫でプロコーチとして活動している2人のペア。立松は阪南大、吉田は近畿大と、ともに関西学生リーグ出身。大阪での開催は「新鮮な感じがします。教えている生徒さんや親も見に来てくれて、気合いが入るというか、ちゃんとせなアカンなと思いましたね」(吉田)とのコメントどおり、昨日の2回戦では愛工大名電高の橋本一輝/横谷晟をストレートで退け、3回戦の相手は専修大の原井雄生/蛭田龍。立松の丁寧な攻めと、長身の吉田が繰り出す豪快かつトリッキーなプレーで1ゲーム目を先取。その後も終盤まで競り合った展開となるも、最後は動いて攻めきった専修大ペアに軍配。惜しくもスーパーシードの待つ4回戦に駒を進めることはできなかった。

 35歳の立松だが、今大会はシングルスにも出場。2回戦で敗れたが、1回戦では高校生相手には溌剌としたプレーで勝利を収めた。かつてはTTSタカハシで日本リーグにも参戦。当時は全日本でもシングルス4回戦(ベスト64)まで勝ち上がり、王者に君臨していた水谷隼(木下グループ)から1ゲームを奪った。現在も全国規模のオープン戦である大阪マスターズ選手権30代で優勝するほどの実力だが、以前、立松の大学時代の先輩から「弱かった」という話を聞いたことがある。失礼ながらそのことを本人に聞くと「本当です」とのこと。
 「1年生の時は関西学生リーグの2部で3位くらいにいた阪南大でレギュラーでもなくて、2年生の時にレギュラーになって、4年生の時には1部に上がり3位にもなれました。関西学生でランクに入って、全日学に出れたのもその時が初めてでした。その後、縁というか、いろいろな方のおかげで日本リーグでもプレーさせてもらって、感謝しかないです」(立松)

 6年前に独立し、「立松卓球スクール」を開業。TTSタカハシ時代から長くコーチをしながら選手を続けているが、その中で選手としてもプレーすることは「教えながら選手としてやるのは難しいという見方もあると思うんですけど、選手としてプレーで見せることで指導にも説得力が出ると思います」と語った。
 「楽しいから卓球を続けているのもあるし、技術やプレーがめまぐるしく変わっている。こういう舞台ですごいプレーを見ることで自分も刺激を受けるし、指導に活かしていきたいと思わせてくれますね」(立松)
 謙遜しながらも、努力と工夫を重ねて卓球で「メシを食っている」男の言葉には卓球への深い愛情と情熱を感じる。

 今後の目標は「まずはケガせず、楽しく仕事と自分の卓球の両立」と答えた立松だが、すかさずベンチに入っていた奥様から「家庭もやろ!」とツッコミが入り、「家庭と仕事と卓球、全部しっかりやります!」と修正。ちなみに奥様もクラブ選手権や全日本マスターズに出場する現役選手。息子さんも最近卓球を始めたそうで、家族揃って卓球ずくしの生活だ。クラブ選手権では毎年快く写真撮影に応じてくれる立松家(いつもありがとうございます!)。これからも選手として、指導者として、一家の主として、そのすべてをエンジョイしながら実りある卓球人生を送ってほしい。


●男子ダブルス3回戦
原井雄生/蛭田龍(専修大) -6、9、9、8 吉田和也/立松圭祐(神戸TC/立松卓球スクール)
  • シングルス1回戦で勝利し、安堵の笑顔

  • ダブルスでは吉田(右)の豪快なバックドライブも火を噴いた