●女子シングルス準決勝
劉詩ウェン(中国) −6、−9、5、5、0、2 丁寧(中国)
陳夢(中国) 5、7、5、8 王曼昱(中国)
女子シングルス準決勝、中国勢同士の対決を制したのは劉詩ウェンと陳夢!
劉詩ウェンは2ゲーム目を8−4、9−7のリードから丁寧に逆転され、「丁寧の一方的な展開か」と思われた。
しかし、「2ゲーム目をリードされて落としたから、3ゲーム目は大きく変えるのではなく、自分のプレーをしっかりやることに集中した」と試合後のインタビューで劉詩ウェンは語った。劉詩ウェンはミドルから出すサービスを丁寧のコート全面へ散らし、丁寧が両ハンドで回転をかけてきたボールは無理にカウンターせず、低くブロック。そして次球から両ハンドの速攻で狙う。かつては相手のブロックをオーバーミスさせていた丁寧のループドライブも、現在のプラスチックボールではそこまで強烈な回転はかからず。ひとたび劉詩ウェンに打球点で遅れを取ると、丁寧に盛り返す術はなく、ジリジリと後退してミスを重ねた。
「ここが勝負」と思われた5ゲーム目は、なんと劉詩ウェンが11−0で奪取。続く4ゲーム目も、丁寧の2−1のリードから劉詩ウェンが圧巻の10点連取で試合を決めた。丁寧の陰に隠れてきた鬱憤(うっぷん)をはらすような勝ちっぷりで、劉詩ウェンが3度目の決勝進出を決めた。
続く陳夢対王曼昱は、予想に反して陳夢がストレート勝ち。「難しい試合になることは予想していたけど、準備は十分していた。4−0で勝てるとは思わなかった」と試合後に語った。長いリーチを誇る王曼昱は基本的に「バックハンドプレーヤー」。バック対バックではショートスイングでも威力あるバックドライブが打てるが、フォアミドルやフォアサイドを切る厳しいボールに対しては、大きく振れないと威力が出せない。陳夢はレシーブから思い切って王曼昱のフォアを突き、フォアを意識させてからバックへコースを散らし、王曼昱に十分な体勢で攻撃させなかった。
女子シングルス決勝は、明日27日に行われる。ラストチャンスに懸ける劉詩ウェンか、準々決勝の壁を乗り越え、その実力を存分に見せつける陳夢か。どちらが勝っても初優勝だ。