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世界卓球ブダペスト大会

 世界選手権ブダペスト大会。目の前で女子シングルス準決勝の丁寧と劉詩ウェンが対戦している。中国の同士討ちだ。

 世界選手権の風景で、時代が変わることを実感する。なぜならセンターコートの両サイドの観客席には「丁寧親衛隊」と「劉詩ウェン親衛隊」が陣取り、熱い応援合戦を繰り広げているのだ。黄色い声で選手の名前を呼び合う。全員が若い女性だ。
 この数年、中国の女子選手には「親衛隊」がつき、ワールドツアーや世界選手権でも中国から欧州や日本などの海外の会場に詰めかける。女子選手を応援する親衛隊は、まるで宝塚歌劇団を追いかける女性たちのようでもあり、その背景には中国の経済発展があり、中国の若い女性が自由に海外に出かけることが日常化しているようだ。卓球の世界ではこれが当たり前の光景になっている。

 今から20年以上前は中国の同士討ちというのは、試合の出足で勝者を予想できた。なぜなら「勝利者操作」が公然と行われ、誰がチャンピオンにふさわしいのか、もし次の対戦相手が他国の場合は、その選手に強い選手を選ぶための勝利者操作があった。
 中にはこの八百長行為にふてくされて、試合を最初から捨てる選手もいたし、負けることを「指名」された選手が涙を流しながら試合をしたり、負けることを拒否してその後、協会から干されたり、ふてくされてガムをかみながら試合をするという、とんでもない光景を目撃したこともあるほどだ。

 ところが、2000年に入る頃から、そういう画策は中国卓球協会はしなくなっている。まずは勝利者操作によって選手のモチベーションが下がるということ(当たり前の話だが)に気づき、卓球関係者からもすこぶる評判が悪い(これも当たり前)ために、ガチンコ勝負をするようになっている。おかげで、試合の質が高まり、中国同士の対決ではまさに究極の卓球が見ることができる。
 そして、今度は親衛隊による応援合戦によって、同士討ちであっても会場は熱くなっているのだ。 (今野)
  • 劉詩ウェン応援団が観客席最前列に陣取った

  • かたや、伝統の丁寧応援団。声出し役もちゃんと存在する