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速報・現地リポート

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全国高校選手権(インターハイ2019)

 男子シングルスに続いて、女子シングルスの見どころもチェックしておこう。近年のインターハイ女子シングルスは「異質」が強い。昨年の女子シングルス決勝は、右シェークバック表の野村萌(現・デンソー/愛み大瑞穂高)と、右シェークフォア表の塩見真希(現・ミキハウス/四天王寺高)の対戦だった。

 過去の優勝者を見ても、梅村優香(17年大会優勝)、田口瑛美子(15年大会優勝)、前田美優(12・14年大会優勝)、阿部愛莉(13年大会優勝)とシェーク・バック表ソフトの選手が並ぶ。巧みなサービスからパワフルなフォア強打を放つ田口、バック面の変化からスマッシュを連発する阿部など、ひと口に「異質」と言ってもスタイルは様々だが、特にプラスチックボール時代を迎えてから、異質の優位性が顕著になっている。

 今大会の第1シードは、フォア面に変化系の表ソフトを貼るカット型・相馬夢乃(遊学館高)。第2シードは全日本ジュニア女王で、フォア面表ソフト・バック面粒高の出澤杏佳(大成女子高)。その他の有力選手を見ても、左シェーク・バック表の出雲美空(遊学館高)、「前陣チョッパー」とも言える異質攻守を見せる桜丘のエース浅井一恵など、異質型の選手が揃う。圧倒的にシェークドライブ型が多い男子とは違い、ラリーでも多彩な球種と弧線が繰り出されるだろう。

 一方で、09〜11年インターハイ3連覇の石川佳純(四天王寺高)、16年大会優勝の早田ひな(希望が丘高)のように、異質型を連破する攻撃力を持ったドライブ型の選手が登場すればセンセーショナルだ。左腕からパワフルなドライブを放つ大型1年生・菅澤柚花里(四天王寺高)、元カデット13歳以下チャンピオンの実力者・皆川優香(神須学園高)らに注目が集まる。サービスのうまさとボールタッチが光る工藤夢(五所川原商)、正智深谷高でじっくり基礎レベルを上げてきた天才肌の左腕・桑原穂実には、最後の夏に大爆発を期待したい。絶対的な優勝候補のいない女子シングルス、「戦国女子」の頂点に立つのは誰なのか?