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全国高校選手権(インターハイ2019)

 大会前半、最大のサプライズを演出したのはこのチームだ。女子学校対抗でベスト4に進出した萩光塩学院。キリスト教系のいわゆる「ミッションスクール」で、印象的な校名は聖書の一節「地の塩、世の光」に由来している。前回大会が初出場、そして今回が2大会目の出場でベスト4。阿部一道監督は「自分でも信じられないです」と笑顔で語った。以下は阿部監督のコメント。

「準決勝に関してはオーダーは結構良かった。相手のエースを外して、前半1−1で回れたので、ダブルスの2ゲーム目をジュースで落とさなければ、チャンスはあったかなと思います。4番は相手のほうが引き出しが多くて、対応しきれなくて負けてしまいましたけど、5番も2−1でリードしていたので、十分に強いチームとも戦えるなという手応えを感じました。
 いろいろなところに練習試合に行かせていただいて、鍛えていただいたので、それが大きな要因かと思います。大学や高校の強豪校との練習試合でメキメキ力をつけて大会に入れた。関東にも行かせてもらったし、岐阜で3校で合同合宿を行った時に徳田と川本が良い成績を残したり、手応えは感じていました」

 萩光塩学院の普段の練習試合は、「他の学校さんと変わらない」そうだ。ただ、朝練や毎日の自主練習の時間を設けて、選手の自主性を尊重している。思い切りの良いフォアスマッシュでポイントゲッターとして活躍した徳田などは、自主練習で毎日残って練習し、力をつけた選手だという。

 地元のクラブやスポーツ少年団の代表など、阿部監督を入れて4名が外部コーチとして指導。エースとして活躍した川本も「外部コーチの方がたくさんいて、いろいろなアドバイスをもらえるのが良い」と語っている。2年前には父母の会も発足し、観客席では他のチームに負けない大きな声援が送られた。

 「大会中に校長先生からも連絡をいただいたり、いつも気に懸けてくださって、学校側からバックアップをしてもらえるので、すごくやりやすい環境ではあります。選手たちが、自分がやりたいようにやれる練習環境を作るのが自分たちの仕事。あまり良いアドバイスはできないですけど、環境はしっかり作ってあげたい。
 今回できすぎたので、来年はすんなりとはいかないと思いますけど、2年生主体のチームなので今年以上の成績を残せるよう、コツコツ頑張っていきたいと思います」(阿部監督)

 選手が監督やベンチの顔色を気にせず、勝負所でも勇気あるプレーを連発できるのは、自主的に練習して力をつけてきた自信の現れでもあるのだろう。ラブオールから最後の一球まで、萩光塩学院の戦いぶりは爽やかだった。