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全国高校選手権(インターハイ2019)

●学校対抗準決勝
野田学園(山口) 3−1 鶴岡東(山形)
 松田 11、9、−9、-6、-5 佐藤○
○戸上 7、3、4 櫻井
○戸上・宮川 1、6、7 原井・佐藤
○宮川 10、6、3 小松

もうひとつの準決勝、昨年のリベンジを果たした野田学園。
なんと言ってもこの試合は4番の宮川に尽きるだろう。
「宮川は去年のインターハイ準決勝で佐藤くんに負けてる。今回も4番に置いて佐藤くんとやらせようと思っていました。負けた記憶ってすごい残っている。特に去年の試合はぼくの中ですごく残っていて、それは宮川本人はもっと残っているはず。だからもう一度やりたかった。佐藤くんは4番には来なかったけど、宮川はしっかり4番でリベンジできた。大きいですね」と野田学園の橋津監督。

トップの松田が佐藤に逆転負けを喫したが、戸上とダブルスが勝利するも、2台進行での5番の状況は五分五分。
4番の宮川へ重圧がかかる中、団体戦で何度も苦杯をなめてきた男が自分の成長を証明した試合だった。
それまでは勝負所になると闇雲に打つだけになってしまった宮川。今回は台と相手がクリアに見えているのか、コース取りや攻めのタイミングなど、人が変わったように成長している。
「今まで自分が戸上のベンチに付きすぎてた。でもこの1年くらい戸上が遠征などでいないことが多かったので、宮川のベンチにずっと入ることができました。
一言で言えば、展開がうまくなりました。このサービスを出したらこうしようとか、頭の中が整理されてパターンが明確になっています。ゲーム制が高まったと思いますね。技術は変わってないですよ。強くなったというよりも安定感が出てきました」(橋津監督)

戸上と宮川で3点と1年の時から言われていたが、今までは宮川が気負ってしまうことも多く、後半シングルスでの勝率はあまり高くない。しかし、今年の宮川は違う。この調子ならば、野田学園の初優勝が現実味を帯びてきたといえる。名電1強に待ったをかける。

敗れた鶴岡東は昨年に続く決勝進出を逃した。
星、中橋という両エースが卒業し、戦力ダウンは否めなかったが、それでもここまで勝ち上がってきたのはさすがだ。それまでの実績がなくても、高校でも選手は伸びる。最後まで足を動かし、ボールに食らいつく、これぞ鶴岡東というべき姿だ。

「去年準優勝という成績で、今年の3年生は本当に重圧がかかった大会でした。原井と佐藤は『自分たちの時代は、ベスト8以下で終わったらどうしよう』というのは常に話していて、原井は全国大会に出たことがないし、櫻井も全国大会に出ても2回戦くらいの選手。それでも練習してきたことが出せたので、今回の結果につながりました。本当に選手に感謝しています。
野田学園戦は去年のことをよく言われますけど、選手は入れ替わっているし、うちも去年より力が落ちているのは私も選手も感じていた。私たちは向かっていく精神。佐藤がエース、原井が大黒柱としてやってきたので、佐藤が戸上くんに当たっても挑戦すると言ってくれた。当たった松田くんとは相性が良かったと思います。迷わずにやれることをやろうと伝えて、明徳義塾戦に続いてそれがうまくいきました」(杉野森監督)