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速報・現地リポート

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全国高校選手権(インターハイ2019)

 女子シングルスで初優勝を飾った出雲美空。バック面に変化系の表ソフトを貼る左シェーク異質攻守型。今大会、大いに威力を発揮したのはそのサービスだ。コートサイドで見ていても、ラケットの動きがよくわからないほどスイングスピードが速い巻き込みのアップダウンサービス。アップ(上回転)系を中心に出しながら、下回転のロングサービスを効果的に織り交ぜてミスを誘い、試合の主導権を握った。

 ラリーになるとバック表ソフトの変化と,ナックル性になるフォアのフラット打ちをうまく生かしながら、前後左右に相手を動かす。大会を通じて、出雲が動かされるラリーよりも、対戦相手が振り回されるラリーが圧倒的に多かった。チャンスボールを冷静に見極めながら、打つと決めたボールは果敢に打つ。シングルスの勝ちっぷりは見事なものだった。以下は出雲の優勝コメント。

「学校対抗で2位だったので、優勝できて良かったです。準々決勝の顧さんとの試合は2−1で負けていたので、思い切って向かっていくだけだなと思って戦って、勝つことができて良かった。準決勝の浅井さんとは、何度も試合をしたことがあって、ほとんど負けたことはないんですけど、今回は全国大会でちょっと緊張していて、最初はうまくいかなかった。最後のほうは自分のプレーができました。

 シングルスでは決勝に行ったことがなかったので、決勝は自分の力を悔いのないように出し切ろうと思って試合をしました。相手の弧線の高いボールを、自分の持ち味のスマッシュで決めていこうと思っていた。大会を通じて良かったのは、サービスで相手を崩して、3球目で決められたところですね」(出雲)

 ラリー間は飄々(ひょうひょう)とした表情。プレーに入っても体はリラックスした状態だが、打球の瞬間だけキュッとスイッチが入る。優勝の瞬間にも大きなガッツポーズはなかったが、そのプレーは女王の名にふさわしいものだった。