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卓球ワールドカップ団体戦

  トップにダブルスが行われ、2〜5番でシングルスが行われる東京五輪の団体戦。「ダブルスのある団体戦に出たのが今大会が初めてくらいだった。世界選手権のシングルスだけの団体戦とは違う緊張感があった」と平野美宇が語るほど、現在の国際大会ではダブルスが組み込まれた団体戦は少ない。日本のTリーグや中国スーパーリーグをはじめ、各国のプロリーグはダブルスを行う試合方式を多く採用しているが、国際大会の緊張感はまた別物だろう。

 そのダブルスでのプレーを振り返り、日本女子チームのキャプテン・石川佳純はミックスゾーンでコメントを残した。

 「このペアで2カ月くらいで急ピッチで練習してきて、いくつか大会にも出てきて、最初の頃よりはすごくレベルアップしたと思うし、自信もついてきた。準決勝と決勝は負けてしまったんですけど、まだまだこれから。伸びしろはあると思うし、すごく勉強になった。『次はこうしたいな』というのがたくさんあります。
 いつものワールドツアーとは緊張感が違うし、勝ちたいという気持ちも違う。日本でやる大会だし、そこでプレーできたことは勉強になりました。一段、二段レベルアップして帰ってこないとダメだなと改めて感じています」(石川)

 12年ロンドン五輪、16年リオ五輪とすでに五輪2大会を経験している石川。しかし、自国開催のオリンピックは当然初めての経験になる。その上で、地元での五輪を戦う心構えを次のように語っている。
 「五輪でプレーするうえで大事なのは、技術よりまず心。心を鍛えないと大舞台でプレーする時に緊張してしまう。そこに耐えられる準備をして、五輪に出場できたら最高のプレーができるよう、心を鍛えたいと思います。自国開催のプレッシャーをパワーに変えられるように自分自身を鍛えたい」

 中国に次ぐ位置まで駆け上がり、それを維持して王座奪還を狙う日本女子チーム。その屋台骨を支えてきたひとりが、2008年大会に15歳で世界団体代表に抜擢された石川佳純であることに異論の余地はない。

 今大会はフォアストレートへのパワードライブでノータッチを連発したが、もともとは「押し」のテクニックだけでなく、緩急をつけて相手の打ち気をうまく利用する「引き」のテクニックもうまい選手。「北風と大陽」の寓話ではないが、押してダメな相手でも、引いたり押したりで攻略できるケースはある。気づけば日本女子の最年長選手だが、シングルスでもダブルスでも、伸びしろはまだまだ隠されている。