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速報・現地リポート

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世界ジュニア選手権大会

●女子シングルス準々決勝
小塩 9、5、11、10 石洵瑶(中国)
呉洋晨(中国) 7、6、2、10 クリスタル・ワン(アメリカ)
キム・ウンソン(北朝鮮) 7、9、−7、−10、9、5 蒯曼(中国)
長崎 −14、−11、4、7、−3、8、6 陳イ(中国)

 なんという14歳だ!
 16年世界ジュニア女王で、今大会の中国女子の精神的支柱だった石洵瑶を、小塩遥菜が4−0のストレートで破った!!

 9月のアジアジュニア選手権でも、シングルス準々決勝で石洵瑶を4−1で破っている小塩。そのリプレイのように、出足からバックカットに強烈な変化をつけ、石洵瑶のミスを誘う。1回戦でキム・クムヨン(北朝鮮)の粒高ショートを粘り強く打ち続けた石洵瑶が、信じられないような打ちミスの連続。小塩のバックカットは強烈な横回転が入り、台の下から這い上がるように石洵瑶のコートを襲う。

「アジアジュニアで勝っていたので、戦術の面ではいろいろわかっていた。勝ててうれしいです。まず相手よりも粘ること、もうひとつ意識したのは、中国選手はまともなボールを送ると強いボールをたくさん打ってくるので、変化のあるボールをたくさん送るようにした。
 アジアジュニアでは、フォアにボールが来た時に取れないことが結構あって、フォアにボールを集めさせたくなかった。バックなら相手の回転も利用できるので、バックカットを多くしました」(小塩)。

 試合後のベンチで、笑顔で山梨有理コーチと握手した小塩。一方の石洵瑶はベンチで涙が止まらなかった。ジュニアと言えども中国の代表選手にとって、あまりに重い敗戦だ。

 ちなみに2回戦の于修ティン(チャイニーズタイペイ)戦でのマッチポイントで、相手のループドライブを打球点を落とし、フォアのカーブドライブで「横入れ(ネットを迂回させて入れる)」を鮮やかに決めた小塩。団体準々決勝のチャイニーズタイペイ戦3番でも、マッチポイントで横入れを試み、観る者をあ然とさせた。「今日の2回戦では(横入れは)狙ってました。普段から結構練習していたので出せてよかった。遊び感覚でセンスを磨いた感じです」。……センスもさることながら、何という強心臓か。

 そして前回ベスト8の長崎も、今大会では準々決勝の壁を乗り越えてベスト4進出。1・2ゲーム目ともリードしながら落とす苦しい展開だったが、ゲームオールで勝ち切ったのは、この1年の成長を証明するものだ。ベスト4のうち、中国勢で勝ち残ったのは第1シードの呉洋晨のみ。明日の準決勝では、小塩とキム・ウンソン、長崎と呉洋晨が対戦する。