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世界ジュニア選手権大会

 男子シングルス準決勝の5ゲーム目、スコアは5−9。劣勢は明らかだったが、戸上隼輔の目はまだ死んでいなかった。ここから強烈なチキータとラリーでの連続ドライブで、一気に9−9。しかし、ここで向鵬は、3球目でわざとタイミングを外した緩いフォアドライブを、戸上のミドルに打ち込んできた。顔つきにはあどけなさの残る向鵬が見せた、老練なテクニックだった。

 試合後、「団体戦で向鵬選手に負けた悔しさを、シングルスでぶつけたかったんですけど、最後は団体戦と一緒で勝ちきることができなかった。競った場面で1点の重みをさらに感じさせられました」と語った戸上。以下は試合後のコメント。

 「ぼく自身、向鵬選手とは何回も対戦していて、やりにくさはないですけど、最後はサービスの変化だったり、ボールにうまく対応できなかった。その少しのズレがミスへの恐怖につながって、ゲームポイントを奪った場面で思い切ってプレーできなかった。それが敗因だと思います。でもバック対バックで回り込んだ後の展開だったり、サービスが効いたことは自信につながりました。
 今年の世界ジュニアは団体戦からシングルスまで4種目出て、うれしいこともあったんですけど、地獄というか、自分にとってはつらいことのほうが多い大会だった。こういう大会を経験したからこそ、今後に生かせることが出てくると思う。将来につなげていきたいです」(戸上)

 コートサイドで見ていても、胸が痛くなるほどつらい試合もあった。しかし、最後の世界ジュニアを戦い終えた戸上の表情には、多くのものをじっと胸の内に抱えながらそれを乗り越えてきた、清々しさがあった。最後の世界ジュニアは3位。今後は自らの目標と語る2024年のパリ五輪に向けて、一歩ずつ階段をのぼっていく。