●男子シングルス準々決勝
張本智和(木下グループ) 6、5、4、4 吉村真晴(名古屋ダイハツ)
丹羽がストレートで敗れた第1コートに、続いて登場した張本智和。昨年の準々決勝と同じ顔合わせとなった吉村真晴戦をストレートで制し、ベスト4に進出した。
1ゲーム目、2ゲーム目ともに出足でリードされる場面もあった張本だが、「リードされても平常心で逆転することができた」と試合後の張本。バック対バックからの電光石火の高速バックハンドも随所に見せながら、バックハンドの緩いボールも有効に使う。「多少ボールが遅くても相手の逆をついたほうが得点できるので、相手を見ながらプレーしています」(張本)。
そして3ゲーム目の終盤、7−2と9−4で見せたフォアクロスのパワードライブ。その強烈な踏み込みは、広大なアリーナに轟き渡るほどのものがあった。昨年と同じストレート勝ちだが、その試合内容からは確かな成長を感じた。
★張本智和のコメント
「いつも一緒に世界で戦う先輩なので、手の内は知り尽くされている。出足の1・2ゲーム目で我慢できたのが大きかった。まだ体力は問題ない。明日は100%の状態でプレーできると思います。今日ストレートで勝てたのはたまたま、ストレートで勝てればベストですが、常に7ゲームまでもつれてもいいように準備はしています。
(明日の)去年負けた準決勝は、自分の中でちょっとプレッシャーはある。そろそろ優勝が近づいてきて、自分のメンタル次第なので、平常心で戦いたい。全日本選手権はみんなレベルが近いので、相手の状態が良いと波乱もある。優勝以外はかならずどこかで負けるし、優勝を目指しているし、優勝できなければダメだと思う」
★吉村真晴のコメント
「張本選手とは練習もやるけど、意識も高いし、試合になると格段にミスが少ないし、ボールの質も違う。やっぱり『世界』の選手ですね。前半は良い感じで競り合いになるけど、中盤で点数が取りたい分、自分が攻め急いでしまった。相手は打ってよし、打たれてもよしとバランスがすごく良い選手なので、完敗です。張本のほうがすべての技術が自分より上だった」