昨日の4月13日まで、江西省宜春市で2014中国卓球クラブ甲Dリーグが開催された。トップリーグである超級リーグの下に甲Aリーグがあり、甲Aの下に甲B、甲Bの下に甲C……と下がっていった甲Dリーグ。開催地である宜春市もいたって地味な地方都市(失礼)だが、今大会は卓球の歴史に大きな足跡を残すことになる。史上初めて、すべてプラスチックボールを使用して行われたからだ。
2014年7月1日という、ITTF(国際卓球連盟)によるプラスチックボールの導入時期を待たずして行われたこの大会。大会使用球となったのは、中国の卓球メーカー「双魚」のプラスチックボールで、シーム(継ぎ目)のあるタイプだ。中国ではすでに「双魚」を含め、「紅双喜(DHS)」「許紹発(XuShaoFa)」「拍里奥(palio)」の4メーカーがITTFからプラスチックボールの公認を得ている。
双魚はプラスチックボールの開発に際し、すでに中国全土の省チームやクラブなどに試作品を送り、選手たちの意見をくみ上げて改良を重ねてきたという。さすがに機を見るに敏。これまでITTFの主催大会では、プロツアー・グランドファイナル(2007-2009)の大会使用球となったくらいしか実績のない双魚だが、この変革期は一気にシェア拡大を狙うチャンスか。
もっとも、中国国内でもプラスチックボールへの移行は段階的で、甲Dリーグも次回はまたセルロイドボールに戻る可能性がある。ただし、「先端部分」の動きは早い。すでに国家男子2軍(ジュニア)チームが昨年12月1日から、女子2軍チームが昨年12月末から、練習での使用球をすべてプラスチックボールに切り替えた。「目先の大会で結果を出す必要はない」という合理的な姿勢はさすが中国だ。
「回転がかからない」「スピードが落ちる」「弾まない」など様々な声が上がっているプラスチックボール。そこで卓球王国では、5月26日発売の『卓球グッズ2014』でプラスチックボールを大特集。セルロイドボールとプラスチックボールの違い、継ぎ目のあるボールとシームレス(継ぎ目なし)の比較、トップ選手による試打など盛りだくさんの内容。国家2軍チームの劉国正・男子監督、閻森・女子監督や選手たちの試打レポートも必見。以上、ちょっとだけ告知でした。