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中国リポート

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 今、中国では男子世界ランキング1位の許シンの担当コーチ交替が、ニュースとして伝えられている。これまでは秦志ジェン(01年世界選手権混合複優勝)が担当コーチだったが、馬琳や王皓を育てた「ペンドラ育成の神様」、呉敬平が新たに担当コーチとなった。

 もうすぐ終了しようとしている福建省厦門(アモイ)市での集合訓練では、「許シン・特別強化メニュー」を実行に移した呉敬平。最大の武器、フォアのパワードライブの威力をさらに高める一方で、フットワークでは「小砕歩」、つまり微調整のフットワークへの意識を徹底させた。大きく動くのは得意な許シンだが、この細かいフットワークを繰り返す練習に、「練習の感想は『疲れる』のひと言だよ」とコメント。しかし、特訓の成果もあってか、部内での練習試合ではまず負けないという。

 来月で60歳になる呉敬平は、1991年から国家チームのコーチを務める「最長老」。2012年のロンドン五輪後に一度引退を表明したが、2016年リオデジャネイロ五輪まで国家チームに留まることになった。今をときめく樊振東の担当コーチでもあるが、何と言ってもペンホルダー選手の育成が呉敬平の真骨頂(しんこっちょう)。彼を抜擢した蔡振華(現・中国卓球協会会長)から課せられた使命でもある。「ペンホルダーのドライブ型をどう改革できるか。君のコーチとしての手腕は、そこで判断させてもらう」。1996年の冬の集合訓練の際、蔡振華は呉敬平にそう語ったという。

 呉敬平は担当する選手の中から、16歳の馬琳の指導に全力を注いだ。裏面に粒高ラバーを貼り、時に反転して打球する変則型だった馬琳のボールセンスに注目。二人三脚の指導で五輪金メダリストにまで育て上げた。果たして許シンも五輪の頂点に立てるのか。今後のプレーの進化に注目だ。
  • 許シン、これで鬼に金棒か。それとも鬼が来たのか?

  • パリ大会で選手の練習を見守る呉敬平。ちょっとお疲れです