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中国リポート

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 去る10月1日、92年バルセロナ五輪ダブルス金メダリスト、世界選手権の男子ダブルスでも2回優勝している呂林(ル・リン)が、中国でも人気の高級車・BMW320iを購入した。

 …地味な、あまりにも地味なニュースだ。
 ところが中国では、これが自動車関係のネットをニュースとして駆け巡ったのだから、やはり卓球選手、そして五輪金メダリストの影響力というのは大したものなのだろう。
 そこはBMWもさるもので、中国 BMW上海事務所のウォルフガン所長がわざわざ販売店のある杭州市を訪れ、各マスコミに招待状を送って、盛大な「新車キー授与式」を行ったという。五輪金メダリストもBMWを選んだということで、宣伝効果は抜群というわけだ。

 呂林は1969年4月6日生まれで、現在38歳。抜群のフットワークを生かしたキレのあるフォアドライブが武器で、左シェーク前陣攻守の王涛(ワン・タオ)との名コンビで、オリンピック・世界選手権のタイトルを獲得した。中国の卓球史上、日本式ペンホルダーを使用した唯一の世界チャンピオン。
 96年に現役を引退してからは指導者の道を進み、日本リーグの中国電力でもコーチを務めた。一時は国家男子1軍チームのチーフコーチとして、蔡振華の後継者と目されていたが、女子2軍チームへ異動になったのを機に国家チームから離れ、現在は故郷の浙江省で「小球(テニス・バドミントン・卓球)センター」の主任を務めている。

Photo:92年バルセロナ五輪表彰式での呂林。BMW(ドイツ)は中国では「宝馬」と訳され、誰もが憧れる高級ブランドとなっている