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中国リポート

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……中国リポート、大変長らくのご無沙汰を致しまして申し訳ありません。小ネタでも少しずつ、アップを再開したいと思います。

 アジア競技大会で5種目制覇を果たし、次は9月7〜16日に遼寧省鞍山市で行われる全中国選手権が控えている中国。今、大きな話題になっているのが、国家体育総局の副局長で、中国卓球協会会長でもある蔡振華の人事についてだ。
 
 蔡振華は国家体育総局に20年以上籍を置き、2007年から副局長、いわばスポーツ副大臣の要職にあったが、すでに先月には中華全国総工会の副主席(副会長)へと異動。中華全国総工会は中国における労働組合の中央組織で、全国代表大会を経て正式に着任する見込みだ。蔡振華を権力の基盤であるスポーツ界から切り離す今回の人事で、国家体育総局内の権力闘争はひとつの決着を見た。

 蔡振華は卓球・サッカー・バドミントンという3つのスポーツ協会の会長を務めているが、サッカーやバドミントンのみならず、卓球協会の会長も代替わりする可能性がある。アジア競技大会が行われた際、国家体育総局の苟仲文局長がITTFのバイカート会長と会談し、中国国内での大会開催や卓球の普及について意見交換を行っているが、この会談の場にも蔡振華は出席していない。卓球会場にも姿を現すことはなかったという。

 もし中国卓球協会の会長が代替わりするならば、後任は誰か。最大の関心事は、協会の副会長である劉国梁の現場復帰がなるかどうかだ。国家チーム内からも現場復帰を求める声が多い劉国梁。もともと昨年の総監督辞職の際には、「劉国梁は苟仲文局長から協会会長への就任を打診されたが、拒否したことで怒りを買い、総監督の座を追われた」という報道も多かった。

 蔡振華の異動と劉国梁の会長就任というのは、昨年から続いた国家チーム内外での混乱の「落としどころ」としては十分あり得る。今後の人事の行方に、注目が集まる。
  • 14年アジア競技大会では、表彰式にも出席していた蔡振華