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中国リポート

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 天津市・武清体育センターで開催中の『2019 中体産業杯 全国卓球選手権』。大会前半は男女シングルスと混合ダブルス、後半は団体戦が行われる「ミニ・オリンピック」方式。前回の記事で「トップ選手も欠場するわけにはいかない」とお伝えしましたが、直後に馬龍・樊振東・許シン・丁寧・劉詩ウェンが大会を欠場。……失礼致しました。五輪代表の本命が不在で、五輪と同じタイムテーブルの大会をやる意味があるのかと思わないでもないが、若手選手たちの予行演習というところか。

 大会の最大のサプライズは、昨シーズンのTリーグで、木下マイスター東京の秘密兵器として活躍した侯英超の男子シングルス優勝。20歳で優勝した2000年大会以来、実に19年ぶりの優勝だ。バック表ソフトの変化カットと強烈な攻撃を武器に、準々決勝で梁靖崑、準決勝で周啓豪をともに4ー1で破り、決勝では王楚欽にストレート勝ち。「運が良かったということだね。王楚欽は準決勝の(カットの)馬特戦で肩を傷めていた。もし彼が故障を抱えていなかったら、ぼくにとってはもっと厳しい戦いになっていただろう」と試合後に語った。

 「19年前に優勝した時はプレーもメンタルもまだまだ未熟で、全力を尽くすことで良いプレーができた。今はよりリラックスして、試合を楽しむことができている。勝敗はそれほど重要なことではないからね」(侯英超)。
 筋骨隆々とした体つき、迫力ある風貌の侯英超だが、その語り口は実に知的で理路整然。さながら「大学教授」という感じで、Tリーグ取材でもそのギャップに少々驚かされた(失礼)。中国のインターネットでの試合解説も好評で、最強解説員の異名を取るほど。若手にとっては貴重なレッスンとなった。

 女子シングルス優勝は孫穎莎。陳幸同、陳夢、朱雨玲というライバルたちを完璧にねじ伏せて頂点に立った。体格的なハンデから、国家チーム内での評価は低いと言われてきたが、「最近は大会が多いけれど、毎日必ずトレーニングを行っているし、試合が続いても疲れたという感覚はない」とタフさを見せる。経験重視の五輪代表選考レースで、逆風を切り裂いて代表権を手にできるか。
 大会前半の個人戦3種目の主な結果は、下記のとおり。

〈男子シングルス〉●決勝トーナメント1回戦
王楚欽(北京市) 7、3、5、ー8、10 趙子豪(上海地産集団)
侯英超(陝西体彩) ー10、9、7、7、ー10、9 劉丁碩(山東魯能)
●準々決勝
王楚欽 9、ー9、6、8、9 林高遠(広東省)
馬特(湖北省) 12、ー11、8、3、8 方博(山東省)
周啓豪(広東省) 9、ー7、ー7、ー4、13、4、9 薛飛(湖北省)
侯英超 7、10、ー7、2、8 梁靖崑(八一南昌)
●準決勝
王楚欽 9、ー8、ー6、3、6、13 馬特
侯英超 6、7、11、ー7、10 周啓豪
●決勝 侯英超 11、7、9、2 王楚欽

〈女子シングルス〉●決勝トーナメント1回戦
孫銘陽(八一南昌) 9、ー7、ー9、ー8、4、6、6 武楊(山西省投資集団)
王曼昱(黒龍江省) 9、8、9、3 顧玉ティン(山東省)
王芸迪(遼寧省) 10、9、7、8 馮亜蘭(湖北省)
●準々決勝
陳夢(山東省) 6、5、ー10、5、7
孫穎莎(河北省) 8、10、6、8 陳幸同(遼寧省)
何卓佳(河北省) 8、ー7、8、9、ー7、9 王曼昱(黒龍江省)
朱雨玲(八一南昌) ー7、8、ー7、4、6、7 王芸迪
●準決勝
孫穎莎 8、ー7、6、6、3 陳夢
朱雨玲 2、7、8、ー9、5 何卓佳
●決勝 孫穎莎 9、4、8、8 朱雨玲

〈混合ダブルス〉●決勝トーナメント1回戦
夏易正/車暁㬢(河南民生薬業/黒龍江省) 6、ー10、ー8、9、4、7 王楚欽/孫穎莎(北京市/河北省)
薛飛/張瑞(湖北省) 9、0、5、7 于子洋/陳夢(山東魯能/山東省)
●準々決勝
鄭培峰/顧玉ティン(福建省/山東省) 12、9、6、4 夏易正/車暁㬢
周啓豪/陳幸同(広東省/遼寧省) ー8、9、12、4、ー5、7 梁靖崑/朱雨玲(八一南昌)
周雨/木子(八一南昌) 5、11、ー5、ー8、8、4 薛飛/張瑞
林高遠/王曼昱(広東省/黒龍江省) 4、ー5、8、5、ー6、9 趙剣彦/黄凡真(八一南昌)
●準決勝
周啓豪/陳幸同 9、ー10、1、8、2 鄭培峰/顧玉ティン
林高遠/王曼昱 ー5、10、2、9、2 周雨/木子
●決勝 林高遠/王曼昱 ー17、8、9、9、6 周啓豪/陳幸同

※写真提供:『ピンパン世界』(中国)