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中国リポート

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 9月15日、1963年世界選手権プラハ大会の男子ダブルスチャンピオンで、中国女子チームの監督も務めた王志良が80歳で逝去した。

 王志良は河北省保定市の出身で、1958年に天津市チームの一員となり、同年に国家チーム入り。当時としては珍しいシェークカット型の選手で、63年世界選手権ではペンカット型の張燮林とダブルスを組んで優勝。中国男子で世界選手権・個人戦のタイトルを獲得したシェークカット型を探してみると、この王志良と77年バーミンガム大会男子複優勝の梁戈亮(李振恃とのペア)がいるが、梁戈亮は一時攻撃型にも転向したオールラウンダー。純粋なシェークカット型は王志良だけだと言えるかもしれない。

 ちなみに70年代以降の中国選手が用いた、両面に同色(黒)のラバーを貼って反転させて出す「同色反転サービス」は、王志良が考案したと言われている。現役引退後は指導者の道に進み、1971年世界選手権名古屋大会では中国女子チームの監督として来日。女子団体では地元・日本にタイトルを譲ったが、女子シングルス・ダブルス・混合ダブルスの3種目で中国がタイトルを獲得。女子シングルス優勝は林慧卿、女子ダブルス優勝は林慧卿/鄭敏之といずれもシェークカット型の選手で、混合ダブルスを制したのは元ダブルスパートナーの張燮林と林慧卿のペアだった。

 中国女子チームの監督を退任した後は、文化大革命による混乱を避けて香港に移住し、多くの選手を指導した王志良。中国リポートの『中国卓球人国記』で、ちょうど河北省男子編を書いていたところで思わぬ訃報に触れた。謹んで哀悼の意を表します。
  • 63年世界男子複王者の王志良。写真は61年大会のコンソレーションマッチで優勝した時のもの