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中国リポート

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 少し前のニュースで恐縮ですが、11月1〜8日、遼寧省・鞍山オリンピックセンターで『2020全国少年卓球選手権』が開催された。出場資格があるのは、2005年1月1日〜2009年12月31日の間に生まれた選手たちで、いわば「U-15(15歳以下)」の全中国選手権。行われたのは男女団体、男女シングルス、混合ダブルスの5種目だ。中国全土から監督・コーチ・選手合わせて455名が参加し、7日以内にPCR検査を受けて陰性であることが大会参加の条件とされた。

 今大会のユニークな点は、男女シングルスのベスト32が決定した時点で「30m走」「3000m走」「縄跳び(45秒間での二重跳びの回数)」「立ち幅跳び」という4種目の体力測定を行い、体力測定の成績とシングルスの成績を合わせて総合成績を決定すること。男女シングルスのチャンピオンは国家2軍チームのメンバーとなり、ベスト8の選手には全国青年選手権(U-18)の出場権が与えられるが、次のステージに進む前に身体能力の測定によって、選手たちの将来性をひとつの「振るい」にかけた形だ。

 8日間の日程を終え、男子団体は北京市第六十六中の選手で構成された中国中学生体育協会チームが優勝。女子は北京燕京啤酒チームが優勝した。北京燕京啤酒は北京っ子が愛する地元のビール会社だが、北京市チームのスポンサーとはいえ、15歳以下の大会のチーム名としては少々微妙なところ。

 男子シングルスを制したのは、江蘇省チーム時代に陳チィ(王+己/04年アテネ五輪男子複金メダリスト)の指導を受けた右シェークドライブ型・陳垣宇(チェン・ユエンユ/江蘇ZGL)。徐奕(シュ・イー/山東魯能)と組んだ混合ダブルスでも優勝し、2冠を達成した。

 女子シングルス優勝の覃予萱(タン・ユゥシュアン/北京燕京啤酒)も14歳の右シェークドライブ型で、広西チワン族自治区の南寧市出身だが、現在は北京市チームに所属している。陳垣宇は2019年12月にすでに国家2軍チーム入りを果たしており、覃予萱は大会後に国家2軍チームへの招集が発表されている。センスと身体能力を兼ね備えたジュニアの有望株が、これからどのような活躍を見せるか。少々覚えにくいが、名前だけは覚えておいても良さそうだ。
  • 大会が開催された鞍山オリンピックセンター