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中国リポート

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 12月1〜9日、18歳以下の選手による全国大会『2020年全国青年卓球選手権』が広西壮族自治区・百色市で開催された。男女団体、男女シングルス、混合ダブルスの5種目で優勝が争われた。初日には体力テストも行われたこの大会、各種目の上位チーム/選手は下記のとおり。

◎2020年全国青年卓球選手権・結果
〈男子団体〉

★優勝:上海市 準優勝:湖北省
3位:北京燕京啤酒(北京市)、山東魯能
〈女子団体〉
★優勝:広東省 準優勝:上海市
3位:四川省、浙江省
〈男子シングルス〉
★優勝:林詩棟(海南省) 準優勝:孫正(上海市)
3位:向鵬(浙江省)、王廷宇(山西省)
ベスト8:謝聡凡(湖南省)、熊夢陽(湖北省)、王晨策(甘粛省)、陳亜軒(江蘇ZGL)
〈女子シングルス〉
★優勝:蒯曼(江蘇ZGL) 準優勝:韓菲児(山西省)
3位:梁家怡(山西省)、黄穎琦(広東省)
ベスト8:李雅可(北京燕京啤酒)、范妹涵(湖北省)、徐奕(山東魯能)、劉佳琪(江蘇ZGL)
〈混合ダブルス〉
★優勝:向鵬/蒯曼 準優勝:梁国棟/王添芸
3位:熊夢陽/李雨琪、韓欽沅/隋笑然

 男子団体を制したのは、ジュニア代表として国際大会にも出場している左シェークドライブ型の宋卓衡、男子シングルスで2位になった右シェークドライブ型の孫正というツインエースを擁する上海市。ともに堂々たる体躯を誇る大型選手だ。宋卓衡は江蘇省の出身だが、陳チィや單明杰を指導し、許シンの才能を見出した湯志賢コーチにスカウトされ、上海・中国卓球学院の一員となった。準優勝の湖北省は、カデットの年代から中国代表としてワールドジュニアサーキットにも出場する熊夢陽、陶育暢がチームを引っ張った。

 女子団体優勝の広東省は、意外にもこれが初優勝。女子団体決勝では、トップで黄穎琦が陳イ(火+習)とのエース対決を制して2点を奪い、優勝に大きく貢献した。黄穎琦は2017年に国家2軍チームに入り、ワールドツアーなどの国際大会にも派遣されてきた。18年ドイツオープンでは16歳にして加藤美優を4−3で破った実績を持つ。

 男子シングルス優勝の林詩棟は、「東洋のハワイ」と讃えられる海南省から現れた期待の新人。今年7月、国家1・2軍チームが海南省陵水市で集合訓練を行った際、中国卓球協会の劉国梁会長がその才能を評価し、特別に集合訓練に参加させたことで話題になった。今大会では準決勝で、19年世界ジュニアチャンピオンで優勝候補筆頭の向鵬を4−2で破り、決勝では孫正に4−0で完勝。晴れて国家2軍チームのメンバーとなり、「劉国梁の眼にくるいはなかった」と報道されている。丸っこい体型で、サービスとバックハンドがうまい両ハンド攻撃型だ。

 女子シングルス優勝は、19年世界ジュニアベスト8の左シェークドライブ型・蒯曼。まだ16歳だが、19年世界ジュニアでは女子団体決勝2番で出澤杏佳を破り、シングルスでも2回戦で木原美悠を4−2で撃破。ラリーでのリズム感が良く、常に冷静にプレーを進める。国家チームの選手同士でペアを組んだ混合ダブルスでも、向鵬とのペアで優勝して2冠を達成。名門・江蘇省女子チームの期待のホープだ。
  • 女子シングルスで優勝した蒯曼(写真は19年世界ジュニア)