スマホ版に
戻る

中国リポート

トップニュース中国リポート
 89年世界選手権優勝、92・96年五輪ダブルス金メダリストで、国家女子1軍チームのコーチを担当していた喬紅(チャオ・ホン)が、広東省卓球運動管理センター主任に就任、同時に広東省卓球チームの総監督に就任することになった。

 喬紅は1968年11月21日生まれ、湖北省武漢市出身。上で述べた主要なタイトルをはじめ、世界選手権・五輪で計7個のタイトルを獲得。回転量が多く、安定感バツグンの両ハンドドライブを武器に活躍したが、ダブルスで金メダルを獲得した96年アトランタ五輪を最後に国家チームを引退し、日本リーグの松下電器でプレーした。
 2001年に中国に戻り、広東省広州市の華南師範大学に入学したが、当時国家チームの総監督だった蔡振華から、急きょ国家チームへ招集される。2002年のアジア競技大会団体決勝で2敗を喫し、スランプに陥っていた王楠が、国家チームの首脳陣に対し、自らの担当コーチとして喬紅をチームに迎えるよう求めたのだ。その後、王楠は03年パリ大会で3冠王を獲得して見事復活を果たした。喬紅はその後、04年に国家女子チーム監督として選考会に出馬しているが、施之皓との選考レースに敗れ、北京五輪終了とともにコーチとしての任期を終えていた。

 喬紅が監督となる広東省チームで、最も有名だった選手と言えば85・87年世界チャンピオンの江加良。超級リーグでは男子チーム(広東全球通)が03-04年シーズンで優勝、女子チームが05年シーズン2位になるなど、数年前までは活躍が目立っていたが、08年シーズンは男子チームは甲Aリーグに低迷し、女子チームも第1ステージ7位と不調だった。また、現在の広東省チームの主力である馬琳、張超、劉詩ウェンらはいずれも遼寧省の出身。かなり若い段階で広東省に移籍しているため、広東省に選手の育成力がないとは言えないが、有望な若手がなかなか出てこないのも確かだ。
 温厚で謙虚な性格で、現役時代から人望が厚かった喬紅。これから、広東省チームでどのように手腕を発揮していくのか、要注目だ。

Photo:北京五輪で、中国女子チームに声援を送る喬紅