昨年12月に行われた「2009年国家卓球チームコーチ報告会」で、国家男子チームの劉国梁監督から王皓へ、ある“プレゼント”が手渡された。中国の卓球関係のネットで、「網民(ネットユーザー)」たちが王皓に寄せた批評を集め、プリントしたものだ。ネットで王皓は「肥皓(フェイハオ)」というあだ名が付けられ、「恋愛問題に激太り、王皓ももう落ち目」「太り過ぎ、五輪が終わってから何をやってたのか」「王皓、痩せないとボルどころか、伸び盛りのオフチャロフや水谷隼にも勝てなくなるぞ」等々の批評が寄せられている。ついに王皓にダイエット指令が下されたのだ。
2000年に国家チームに入った時、王皓は身長176cmで体重65キロと公表されていた。しかし、報道によると昨年は81kgまで体重が増えたという。世界選手権横浜大会でタイトルを獲得した時は、「少し太ったかな」と思ったくらいだったが、9月の全中国運動会では明らかに太っていた(中国リポート2009/10/15『全中国運動会その1-太っても強かった王皓』参照)。国家チームの選手たちは、1~3月の間は世界選手権に向けたハードな集合訓練があるため、体重が落ちる。そして世界選手権が終わり、それぞれの所属チームに戻って超級リーグを戦う間は、移動続きで練習量が落ち、体重が増えてしまう。集合訓練による強化が中心だった90年代までは、一部のベテランを除いて太めの選手などいなかったはずだ。
厦門(アモイ)での国家男子チームの集合訓練で、王皓は食事制限とトレーニングを行い、馬龍や馬琳、王励勤らチームメイトがプロツアー・グランドファイナルを戦う間にも、厦門で居残りダイエット合宿。…これはグランドファイナルの出場資格を満たせなかったためだが、すでに体重は5kgほど落ちたそうで、1月14日の「ペンホルダーvs.シェーク対決」の映像でも体の線がシャープになったように見える。王皓の部屋には体重計がおかれ、リバウンドを戒めているとのこと。世界選手権モスクワ大会で、以前のようにほっそりとした王皓に会えそうだ。
それにしても、王涛に劉国梁に王皓、人民解放軍に所属する軍人たちが太り過ぎを指摘されるのは不名誉なことに違いない。王涛はダイエットに成功し、王皓もダイエット中となると、最後には劉国梁監督に矛(ほこ)先が向けられるのか?
Photo:全中国運動会での王皓。大会最終日の表彰なので、これでも少し痩せていました…