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中国リポート

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 現在、江蘇省通州市の「通州国際卓球訓練基地」で集合訓練を行っている中国女子チーム。1月24日には、同じ江蘇省の蘇州市で行われた慈善活動に、施之皓監督と郭躍、劉詩ウェンの3名が参加した。
 取材に訪れたメディアの注目はやはり女王・張怡寧の去就。施之皓監督は「もう一度はっきりさせておきたい。張怡寧はまだ現役引退はしません。ただし、彼女の休暇がいつ終わるかはまだ決定していない。現時点でひとつだけ言えることは、彼女が5月の世界団体選手権モスクワ大会には出場しないことです」(出典『新京報』)と発言。張怡寧のモスクワ大会欠場を公の場で認めた。

 2000年クアラルンプール大会から、5大会連続で世界選手権・団体戦に出場してきた張怡寧の欠場は、最強を誇る中国女子にとってもかなりの痛手。張怡寧は団体戦の初陣である00年クアラルンプール大会決勝で徐競(チャイニーズタイペイ)、04年ドーハ大会の日本戦で梅村礼に敗れているものの、06・08年大会では際立った安定感でチームを優勝に導いてきた。個人戦も含めた、世界選手権への連続出場記録は10でストップすることになる。
 モスクワ大会の国内選考会「直通莫斯科」では、優勝した1名だけが出場の権利を獲得する中国女子チーム。現時点で団体メンバー(最大5名)として有力視されるのは郭躍・郭炎・李暁霞・劉詩ウェン・丁寧の5名だ。これまで世界団体選手権に出場していないカットの范瑛、異質速攻の曹臻を抜擢するメリットは少ないため、「直通莫斯科」でダークホースが出現しない限り、ほぼこの5名で確定ではないか。ベテランの郭炎はモスクワ大会出場の可能性は低いと思われたが、トーナメント・オブ・チャンピオンズとプロツアーグランドファイナルを制するなど好調をキープしており、若いメンバー構成から見ても3大会連続(団体戦)の代表入りが濃厚だ。

 06年ブレーメン大会、08年広州大会の決勝に起用された王楠・張怡寧・郭躍のうち、ふたりが抜ける中国女子。しかも郭躍は2大会連続で決勝で黒星を喫している。郭炎、李暁霞はこれまで重要な試合には出場しておらず、劉詩ウェンと丁寧は世界団体選手権には初出場。今回の中国女子チームはやや不安定な要素が多い。中国香港は帖雅娜・林菱らが選手としてのピークを過ぎ、シンガポールはエース格のリ・ジャウェイに出産のブランクがあるなど、ライバルチームも戦力充実とは言いがたい中で、やはり日本女子チームの活躍に期待したい。

Photo:08年広州大会での張怡寧のプレー。再びそのオールラウンドプレーを披露する日は来るのか?