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中国リポート

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 昨日1月31日、江蘇省南通市の「通州国際卓球訓練基地」で、国家女子1軍チームによる世界団体選手権モスクワ大会の代表選考会「直通莫斯科」がスタートした。劉詩ウェン、李暁霞、郭炎といった実力者が順調に白星を重ねたが、開幕初日のマスコミの注目を集めたのは、なんといっても訓練基地を訪れたひとりの女子選手だった。「このまま引退か、それとも現役続行か」。その去就が注目される張怡寧が、訓練基地で会見を開いたのだ。先日マカオで行われたITTFプロツアー・グランドファイナルでは、夫婦揃ってお忍びで観戦に訪れていたが、公式の場に登場するのは昨年10月の全中国運動会以来だ。

 これまでの茶髪のショートヘアとは違い、やや長めの黒髪で会見場に姿を現した張怡寧。「今回、訓練基地を訪れた理由は?」との問いには、「コーチやチームメイトの会うためです。テレビの放映でしかみんなの姿が見られないから、とても会いたかった。毎日のように夢に見るくらいでした」と笑顔で答えた。
 そして気になる今後の去就については、張怡寧本人もまだ明確な決定は下していないようだ。「このまま引退するとしても、自分の競技人生に悔いは全くありません」と述べる一方で、「自分にはまだ確かに、潜在能力があるとも感じています」とコメント。「オフの期間が長過ぎると、現役復帰は難しいのでは?」という質問に対しても、「すぐに元の状態には戻せると思います。落ちた筋力を取り戻すことが重要になるので、トレーニングはキツいでしょうけど(笑)」と自信をのぞかせた。この会見の直前には、張怡寧は引退してアメリカのビザ取得の準備を進めているという報道も流れたが、これについてははっきりと否定した。

 国家女子チームの施之皓監督は「今日の落ち着いた服装などを見ても、張怡寧は大人の女性になって、まるで別人のようだね。しかし、どんな役割でも見事に演じるのが張怡寧だ。ひとたび選手としてコートに立てば、すばらしいアスリートという役割を完璧に演じてくれるだろう」とコメント。「国家女子卓球チームには確かに彼女のような選手が必要で、今後もチームの一員として、栄光の歴史を築いてくれることを願っている。しかし、我々は彼女の選択を尊重するし、彼女が引退したとしても自信を持って進んでいかねばならない」(施之皓)。やはり、張怡寧に対する未練は隠せないようだ。

 今回の「直通莫斯科」では、試験的に丁寧と李暁霞のベンチにも入った張怡寧。李暁霞には「(張怡寧が)今後コーチになったとしても、きっと超一流のコーチになれると思う。彼女は本当に超人ですね」と言わしめている。今は新婚生活を享受し、休養につとめている張怡寧。その動向については、今しばらく見守るしかなさそうだ。

Photo:全中国運動会で、マスコミの取材攻勢を受ける張怡寧。今回の会見にも、大勢の報道陣が詰めかけた