スマホ版に
戻る

欧州リポート

トップニュース欧州リポート
 08/09シーズンのECL(ヨーロッパチャンピオンズリーグ)は、5月17日の男子決勝をもって全日程が終了。男子はデュッセルドルフ(ドイツ)、女子はフロシュベルグ(オーストリア)が優勝した。

 さて、このECLであるが、予選・決勝トーナメントともにホーム&アウェイ方式で試合が行われている。サッカーではホームチームの方が有利と言われており、それはサポーターの声援が選手を後押しするため…だという見方があるが、果たして卓球ではどうなのか。調べてみた。サンプルは今季ECLの男女予選・決勝トーナメントの全92試合(男子62試合、女子30試合)。

 結果はホームチームが勝った試合が48試合、アウェイチームが勝った試合が44試合だった。ホームチームの勝利数の方が4試合多かったが、ホームの方が確実に有利だと言えるまでではない。男女別に見ると、男子はホームチーム勝利数が33、アウェイチーム勝利数が29。女子はホームチーム勝利数とアウェイチーム勝利数が同数だった。女子は、予選と決勝トーナメント別で見てみても同数であり、ホームによる有利さは見られない。

ホームチーム勝利数アウェイチーム勝利数
4844

ホームチーム勝利数アウェイチーム勝利数
男子3329
女子1515

 さて、男子であるが、予選だけを見るとホームチーム勝利数が28、アウェイチーム勝利数が20。決勝トーナメントだけを見るとホームチーム勝利数が5で、アウェイチーム勝利数は9。予選ではホームが優勢だが、決勝トーナメントではアウェイが優勢という数字が出た。決勝トーナメントのサンプル数は少ないのだが、予選と決勝トーナメントでは異なる結果が出ているのは興味深い。また、男子決勝に進出したデュッセルドルフとオクセンハオゼンが、ともに決勝トーナメントではホームの1勝に対してアウェイでは3勝しており、今季では敵地で勝利することが上位進出のカギを握っていたことがわかる。

ホームチーム勝利数アウェイチーム勝利数
男子予選2820
男子トーナメント59

 男子の予選・決勝別に見てみると差は出たが、総じて見ると卓球においては、サッカーのようなホームゲームでの有利さはほとんどないと言っていいだろう。サッカーはプレー中にも声援が送られるが、卓球ではプレー中に声援を送ることがNGであり、サッカーほどの影響はないのだろう。また、地元ファンの声援は時として重圧にもなり得る。メンタルが非常に重要な卓球では、声援=プレッシャーと感じてしまうと、思わぬ波乱が起こるのである。

写真:世界選手権横浜大会で快進撃を見せた丹羽。はじめは観客の声援に戸惑いを見せていたが、徐々に力に変えていった。