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欧州リポート

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 9個のヨーロッパタイトルを獲得し、ヨーロッパを代表する選手のひとりとして長く世界で活躍したチラ・バトルフィ(ハンガリー)が、ついに現役を引退。彼女の引退を記念して、10月9日にはブダペストでハンガリーと中国の特別親善マッチが行われ、国際卓球連盟のシャララ会長、ヨーロッパ卓球連合のボッシ会長、ハンガリー・オリンピック委員会のシュミット委員長らが顔を揃えた。

 バトルフィは1969年3月3日、ハンガリーの首都・ブダペスト生まれ。父の手ほどきで7歳から卓球を始め、85年世界選手権イエテボリ大会で、当時アジアチャンピオンだった何智麗(現:小山ちれ)を破って注目を浴びた。
 1986年には、わずか17歳にしてヨーロッパ選手権に優勝、その後もヨーロッパ選手権のダブルスで4回、混合ダブルスで1回、そして団体で3回優勝している。堂々たる体格で、非常に高く投げ上げるハイトスサービスから強烈な両ハンドドライブを放ち、アジアの強豪とも互角に渡り合った。

 92年からはドイツ・ブンデスリーガに参戦し、1部リーグのラングバイトに15年間所属。チームのエースとして活躍し、ラングバイトの街には彼女の名前をつけた通りが誕生するそうだ。一方では大学の体育学部に学び、卓球の教育と指導で学位も取得している。
 現在はイタリア女子チームのエースであるニコレッタ・ステファノバの個人コーチとして、イタリアに住んでいるというバトルフィ。ヨーロッパ女子の屋台骨を支えた女傑に、心からねぎらいの拍手を送りたい。
 
Photo上:アジアに対抗できる数少ない選手のひとりだった
Photo下:昨シーズンはラングバイトで梅村礼(現:イタリア・サンドナテーゼ)のチームメイト