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欧州リポート

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 10月17〜21日、デンマーク・ヘアニングで行われたヨーロッパ選手権。今大会は男女シングルス&ダブルスの4種目のみの開催。男女団体戦は現在、3つのカテゴリーに分かれて予選リーグが進行中で、来年10月にオーストリアで開催される2013ヨーロッパ選手権では、団体戦と個人戦が同時に行われる。
 まず、男子シングルスとダブルスの結果からお伝えします。

★2012ヨーロッパ選手権 10.17〜21/デンマーク・ヘアニング

〈男子シングルス〉●1回戦 ※主な試合のみ掲載
ゴラク(ポーランド) −10、−7、8、−8、7、8、7 ルベッソン(フランス)
コルベル(チェコ) −8、9、−9、3、9、−9、8 ワン・ツォンイ(ポーランド)
フェゲルル(オーストリア) 5、7、7、−10、−10、8 メイス(デンマーク)
●2回戦
ゴラク 3、9、3、−5、−2、8 陳衛星(オーストリア)
トキッチ(スロベニア) 5、−8、−9、5、−10、7、6 何志文(スペイン)
ガチーナ(クロアチア) 5、−8、8、6、−9、−9、4 フレイタス(ポルトガル)
バウム(ドイツ) 9、−6、6、6、6 クレアンガ(ギリシャ)
モンテイロ(ポルトガル) 2、9、−10、−6、5、7 ズース(ドイツ)
サムソノフ(ベラルーシ) 8、6、6、8 プリモラッツ(クロアチア)
譚瑞午(クロアチア) 9、5、−9、−7、9、14 マテネ(フランス)
フランチスカ(ドイツ) 12、10、−9、6、3 シュラガー(オーストリア)
●3回戦(ベスト8決定戦)
ボル(ドイツ) −8、9、5、−9、1、6 ゴラク
ガチーナ 8、5、3、−12、7 トキッチ
クリサン(ルーマニア) ※失格 バウム
モンテイロ −4、8、8、−10、13、8 ルンクイスト(スウェーデン)
サムソノフ 7、7、9、8 フィルス(ドイツ)
シュテガー(ドイツ) −11、−9、8、5、13、−8、9 イオニス(ギリシャ)
譚瑞午 9、−8、−10、5、7、4 フランチスカ
オフチャロフ(ドイツ) 9、−6、6、6、7 アポローニャ(ポルトガル)
●準々決勝
ボル 6、−7、8、17、8 ガチーナ
クリサン 8、5、6、5 モンテイロ
シュテガー 11、4、8、6 サムソノフ
譚瑞午 −1、8、−4、−10、8、9、9 オフチャロフ
●準決勝
ボル −10、7、6、5、10 クリサン
譚瑞午 6、−8、2、13、6 シュテガー
●決勝
ボル 2、6、7、−11、9 譚瑞午

〈男子ダブルス〉●準決勝
K.カールソン/M.カールソン(スウェーデン) −7、−10、9、12、5、−6、10 リウェンツォフ/パイコフ(ロシア)
ガルドス/ハベソーン(オーストリア) 2、8、−7、7、−7、5 オフチャロフ/サムソノフ(ドイツ/ベラルーシ)
●決勝
ガルドス/ハベソーン 10、9、−10、−11、5、−13、10 K.カールソン/M.カールソン

 男子シングルスを制したのはドイツのティモ・ボル。初優勝した2002年のザグレブ大会から10年、新記録となる通算6回目の優勝を飾った。
 わずか5ゲームしか落とさず、相変わらずの強さで優勝を決めたボル。「クリサンとの試合では、ロンドン五輪での敗戦が脳裏にあったのは事実だ。落ち着いて、しかし積極的に、集中力をキープしてプレーする必要があった。クリサンは自分にとって最もやりにくい選手のひとりだよ。ロンドン五輪ではサービスが長くなってしまい、敗戦の大きな原因になったけど、今日はそこに気をつけた」(ボル)。ボルはこれで、ヨーロッパ選手権で通算16個目のタイトル(シングルス×6/団体×5/男子ダブルス×5)。「これが五輪の舞台だったら……」と思っているのは、誰よりもボル本人だろう。

 そして、男子シングルスでサプライズの準優勝となったのは29歳の譚瑞午(タン・ルイウ)。小柄で抜群のフットワークを誇る左シェーク・バック表の異質攻撃型。第4ゲームに10−11でボルにマッチポイントを奪われながら逆転し、1ゲームを返したが、健闘もここまでだった。しかし、準々決勝ではロンドン五輪銅メダリストのオフチャロフに対し、1ゲーム目を1−11で落としながら競り勝ち、ビッグゲームで久々に躍動感あふれるプレーを見せた。

 その他の選手では、男子シングルスで2大会連続2位のバウムが3回戦でクリサンを破り、準々決勝進出を決めながら、試合後のラケット検査で失格。試合前に検査したラケット、試合後に検査したスペアラケットともに厚さが4mmをオーバーしていた。地元期待のメイスはまさかの1回戦敗退で、大会の顔はあまりに早くコートを去った。ポルトガルの三銃士、モンテイロ・アポローニャ・フレイタスはモンテイロのベスト8が最高で、シングルスではなかなかトーナメントを勝ち抜くほどの爆発力を発揮できないようだ。

 続けて女子種目の結果もお伝えします。

photo上:6回目の戴冠を果たしたティモ・ボル
photo中:動きまくり、打ちまくった譚瑞午
photo下:メイスは1回戦でフェゲルル(オーストリア)に敗れた
※写真提供:ITTF