スマホ版に
戻る

欧州リポート

トップニュース欧州リポート

 11月20日に行われたドイツ杯選手権・準々決勝。大本命のデュッセルドルフは、ブンデスリーガで首位に立っているフリッケンハオゼンと対戦し、3-1で勝利。ドイツ杯選手権・準決勝へと駒を進めた。何も問題がないように思えるデュッセルドルフの進撃。しかし、デュッセルドルフが喫した失点1は、不動の大黒柱・ボル(ドイツ)の失点だった。ブンデスリーガでは7戦無敗のボル。文句なしにデュッセルドルフのエースなのだが、この日は2番手で出場。それが“事件”の伏線だったのだろうか。
 ボルに代わり、デュッセルドルフの1番手に抜擢されたのはズース。“ボルの相方”が馬文革をゲームオール13本で撃破、ボルにつなげた。バトンを受けとったボルは第1ゲームこそ2本で制したが、続く第2・3ゲームを9本で落とす。第4ゲームは取り返したが、ファイナルゲームを10本で落とし、まさかの黒星を喫した。
 “事件の当事者”になったのはドイツのシュテガー。世界選手権には03年パリ大会、05年上海大会、06年ブレーメン大会、07年ザグレブ大会に出場している。06年ブレーメン大会では、メダルがかかった準々決勝ロシア戦の3番で出場し、ゲームオールでスカチコフを下して準決勝進出を決めた男だ。今年のヨーロッパ選手権ではベスト16入りを果たしているが、それにしてもまさかボルに勝つとは…というのは素直な感想だ。

 準々決勝もうひとつの試合は、ブンデスリーガではここまで1勝で9位に甘んじているゲナンが3位グレンツァオを退ける波乱となった。王熹(中国)の2点獲りが光るが、2番で登場したフィルス(ドイツ)がブラシュチック(ポーランド)を倒したことが大きいだろう。

 これで準決勝進出チームが出揃った。準決勝に駒を進めたのは水谷所属のデュッセルドルフ(2位)、高木和卓所属のユーリッヒ(7位)、岸川所属のブレーメン(8位)、そしてゲナン(9位)。()内は11月20日までのブンデスリーガの順位だが、下位チームが3チームも残っていることがわかる。戦力的にもデュッセルドルフの本命は揺るがないが、絶対エースのボルが負けたようにまさかの結末が待っているかもしれない。
 準決勝・決勝は12月8日に行われる予定だ。

●準々決勝 ※左側のチームがホーム
11/19 [ゲナン 3-1 グレンツァオ]
王熹 6、11、4、6、9 張ユク
フィルス -4、-7、8、8、11 ブラシュチック
メンゲル -8、-6、-8 フェイヤー-コナート
王熹 7、-8、-8、7、8 張ユク

11/20[フリッケンハオゼン 1-3 デュッセルドルフ]
馬文革 -11、9、5、-5、-13 ズース
シュテガー -2、9、9、-9、10 ボル
トキッチ -5、-3、-10 コルベル
シュテガー -2、-7、-9 ズース

写真:まさかの敗戦を喫したボル(上/07世界選手権ザグレブ大会時)と大金星を挙げたシュテガー(下/06世界選手権ブレーメン大会時)