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欧州リポート

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 新型コロナウイルス感染症の影響で、4月17日に開催予定だったプレーオフ準決勝が延期されているドイツ・ブンデスリーガ。現状では5月31日以降、6月中の再開を目指して準備が進められている。そのような中でも、各チーム来シーズンに向け、移籍も活発化。着々と次のシーズンを戦う編成が進められている。現段階での、来シーズンの12チームの陣容は下記のようになっている。


※★=新加入
【ザールブリュッケン】
フランチスカ(ドイツ)、尚坤(中国)、ヨルジッチ(スロベニア)、ポランスキー(チェコ)
移籍:プレテア(ルーマニア/→グレンツァオ)

【ボルシア・デュッセルドルフ】
ボル、ワルサー(ともにドイツ)、K.カールソン、シェルベリ(ともにスウェーデン)、アチャンタ(インド)
移籍:O.アサール(エジプト/→フランスリーグ:エンヌボン)

【オクセンハウゼン】
カルデラノ(ブラジル)、ゴーズィ(フランス)、★ジャー(アメリカ/←グレンツァオ)、★クビク(ポーランド/←2部:マインツ)、★クルジツキ(ポーランド/←2部:バート・ホンブルク)
移籍:ディヤス(ポーランド/→ポーランドリーグ:ジャルドヴォ)、フェガール(オーストリア/→ベルクノイシュタッド)、シドレンコ(ロシア/→ノイ・ウルム)

【ブレーメン】
ファルク(スウェーデン)、スッチ(ルーマニア)、ゲラシメンコ(カザフスタン)、アギーレ(パラグアイ)

【ミュールハウゼン】
イオネスク(ルーマニア)、メンゲル(ドイツ)、ヤンカリク(チェコ)、Da.ハベソーン(オーストリア)

【ベルクノイシュタッド】
ドゥダ(ドイツ)、ロブレス(スペイン)、ミノ(エクアドル)、★フェガール(オーストリア/←オクセンハウゼン)
移籍:ドリンコール(イングランド/→フランスリーグ:ジュラ・モレ)

【グリュンヴェッターズバッハ】
チウ・ダン、王熹(ともにドイツ)、ラスムッセン(デンマーク)、★コズル(スロベニア/←ユーリッヒ)、★黄民夏(韓国)
移籍:グナナセカラン(インド/→Tリーグ:岡山リベッツ)

【ノイ・ウルム】
アポロニア(ポルトガル)、シュトゥンパー(ドイツ)、★ルベッソン(フランス/←フランスリーグ:ポントワーズ)、★シドレンコ(ロシア/←オクセンハウゼン)
移籍:ツボイ(ブラジル/→バート・ホンブルク)、サリフ(フランス/→ケーニヒスホーフェン)、ブロッド(スウェーデン)、安宰賢(韓国)

【ケーニヒスホーフェン】
シュテガー、オルト(ともにドイツ)、ゼリコ(クロアチア)、★サリフ(フランス/←ノイ・ウルム)
移籍:及川瑞基(シェークハンズ)

【フルダ・マーバーツェル】
フィルス(ドイツ)、ムン・ファンボー(ドイツ)、★アルナ(ナイジェリア/←ポルトガルリーグ:スポルティング)、★林兆恒(香港/←ポーランドリーグ:ポロニアビトム)
移籍:プツァル(クロアチア/→ロシアリーグ:UMMC)、カイナート(スロバキア)

【グレンツァオ】
スゴウロポウロス(ギリシャ)、★プレテア(ルーマニア/←ザールブリュッケン)、★R.デヴォス(ベルギー/←ユーリッヒ)、★カラカセビッチ(セルビア/←3部:チャンピオン・デュッセルドルフ)
移籍:ボボチーカ(イタリア)、ジャー(アメリカ/→オクセンハウゼン)、リンド(デンマーク/→フランスリーグ:エンヌボン)

【バート・ホンブルク】 ◎2020/21シーズンより1部昇格
シポシュ(ルーマニア)、ホフマイヤー(ドイツ)、カツマン(ロシア)、★ツボイ(ブラジル/←ノイ・ウルム)、★グレブネフ(ロシア/←2部:パッサウ)


 大きくメンバーが入れ替わったのは、2018/2019シーズンに15年シーズンぶりのブンデスリーガ優勝を果たしたオクセンハウゼン。有望株のシドレンコ、中堅のフェガールとディヤスがチームを離れる。シドレンコは参入2シーズン目のノイ・ウルム、フェガールはベルクノイシュタッド、ディヤスは母国・ポーランドリーグの強豪であるジャルドヴォに移籍。オクセンハウゼンでコーチを務めていたD.マズノフもシドレンコとともにノイ・ウルムへ。17歳でヨーロッパU21選手権を制した左腕にかける期待の大きさを感じさせる。2018/19シーズンにオクセンハウゼンに加わったフェガールは、加入1年目でいきなりチームにブンデスリーガ優勝をもたらす活躍を見せたが、今シーズンは5勝8敗と苦戦。ディヤスは今シーズン、チームトップの16勝(5敗)をあげており、ポーランドリーグへの復帰は驚きを持って報じられた。
 オクセンハウゼンに新たに加わるのは2018年ユース五輪銅メダルのジャー。今シーズンはグレンツァオで10勝14敗の成績だったがポテンシャルは高く、3番手として期待される。また、ポーランドの17歳コンビ、クビクとクルジツキとも契約を結んだが、ともに1部でのプレーは初。中堅どころのフェガール、ディヤスに変わる戦力としては少し厳しいだろう。

 来季ブンデスリーガ2シーズン目のノイ・ウルムは積極的な補強を見せており、さらなる躍進への熱意を感じさせる。2019/2020シーズンよりワイルドカードでブンデスリーガに参入し、初めてのシーズンは8位。先に紹介したシドレンコのほか、2016年ヨーロッパ選手権優勝のルベッソンというビッグネームを獲得。アポロニア、ルベッソンの両輪にシドレンコ、シュトゥンパーという若手2人で2年目を戦う。

 レギュラーシーズンを1位で終えたザールブリュッケンは19歳のプレテアは出場機会を求めてグレンツァオへ移籍。プレテアは2シーズンをザールブリュッケンで過ごしたが、2018/19シーズンはヨーロッパチャンピオンズリーグ(ECL)のみの出場、2019/20シーズンはブンデスリーガで6試合、ECLで2試合の出場と、なかなか出場機会を確保できなかった。ザールブリュッケンよりも層が薄いグレンツァオで試合経験を積む意向だ。

 ここ数年、日本人唯一のブンデスリーガーとして活躍を見せていたケーニヒスホーフェンの及川瑞基はドイツを離れることに。新型コロナウイルスの影響もあって、4月上旬にブンデスリーガ公式サイトで来シーズンの契約を結ばないとのニュースが流れた。及川は1シーズン目こそ9勝17敗と苦しむも、2シーズン目は17勝9敗、3シーズン目は11勝7敗と活躍を見せた。ケーニヒスホーフェンはその代役としてサリフを獲得している。

 また、ビッグネームではポルトガルリーグのスポルティングからリオ五輪シングルスベスト8のアルナがフルダ・マーバーツェルへ加入。アルナは初のブンデスリーガでのプレーとなる。フルダ・マーバーツェルは香港の林兆恒も獲得。出場試合は限られているということだが、期待の若手も加入し、10位に終わった今シーズンからの巻き返しを図る。

 ここ数シーズン苦戦が続くグレンツァオはスゴウロポウロス以外のメンバーが総入れ替え。ザールブリュッケンから移籍のプレテアのほか、2部降格となったユーリッヒからR.デヴォスが加入。さらに44歳のカラカセビッチが久々のブンデスリーガ1部に復帰。カラカセビッチはかつて10シーズン、1部のプリューダーハオゼンでプレーしていたが、今シーズンはブンデスリーガ3部(!)のチャンピオン・デュッセルドルフでプレー。ちなみにチャンピオン・デュッセルドルフにはベラルーシの2003年ヨーロッパ選手権団体優勝に貢献したシェチニン、元クロアチア代表のトシッチも所属していた。

 降格となったユーリッヒに代わり、2部から昇格したのがバート・ホンブルク。新型コロナウイルスの影響で残り数試合を残してシーズン打ち切りとなったが、2部では最後まで首位をキープ。その中心として活躍したシポシュ、カツマン、ホフマイヤーの若手3人に、こちらも若手有望株のグレブネフ、そしてブンデスリーガでのプレー経験も豊富なツボイも加入。1部では厳しい戦いが予想されるが、どこまで上位陣に食い下がれるか。
  • 3部から1部に帰ってきたカラカセビッチ

  • アフリカの星・アルナ、ブンデスリーガに上陸

  • オクセンハウゼンで3番手として期待されるジャー