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トップ選手は試打にも慣れたものだ。

本誌でのグッズ特集や別冊卓球グッズでは、いろいろなチームにお邪魔させていただき、選手に試打をしてもらっている。
ここ数年は「試打」というのが用具ページでは定番化している。メーカーのカタログには、スピードが出ます、回転もかかりますという宣伝は毎回見る。それは本当なのか? いつも同じことを言っていないか? という疑いの目を向けている人も多いだろう。だからこそ実際に打たないと真実は判断できない。
選手の生の声があってこそ、真実味が増す。だから試打はかかせないコーナーだと思う。試打はカタログにはない情報が満載だ。

現在連載中の「この用具が熱い!」でも積極的に試打を行っている。選手は慣れたもので、「今回はなんですか?」「お、弾みそう!」など会話をしながら、乱打やカウンター、下回転打ちなど、こちらが指示をしなくても各々が性能を分析していく。中には「これ、良いこと言えないですよ」と困ってしまうケースもあるが、用具の長所と短所を探し出し、総合的な評価を下す。

今回の『ターゲットプロGT』(コニヨール)の第一声は「何ですかコレ。見たことない」だった。決して高くないネームバリューゆえに、選手が知らないラバー。しかし、そのコメントはすぐに賞賛に変わった。

「すごいですね」「毎回、こういうラバーを持ってきてくださいよ」「めっちゃいい!」「知らないメーカーだからナメてました」

正直、試打企画でここまで褒められる用具は本当に珍しい。
「探したけど、悪いところが見つからなかった」という評価までもらった。試打は水ものであり、打ってもらってみないとわからない。結果ありきではないので、コメントを聞くのがいつも怖いが、今回はまれに見る当たりだった。

ここまで褒められるとリップサービスにも聞こえるが、私はメーカーの人ではないので選手は気を遣うことはない。これは彼らの本音だ。

その数日後、コニヨールの代理店でJUICの塩田社長から喜びの声が届いた。
「うれしいことにシチズン時計様から試打の時に良かったので使ってみたい選手がいると、ご連絡をいただきました」と。

これも今までにないことだったので、2度もビックリさせられた。
(佐藤)

【卓球王国 2017年12月号(10月21日発売)/『この用具が熱い!』より】
http://world-tt.com/ps_book/back.php?lst=2&mcd=AZ248