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 卓球の試合は、必ずどちらかの選手(あるいはペア)のミスでラリーが終わる。1ゲームの行方が決まる11の得点の裏には、必ず11のミスがあるわけだ。
 そして、ミスには種類がある。お互いに全力を尽くしたラリーで、コースを狙った強打がわずかにオーバーしたのなら、「これでダメならしかたない」と納得できるだろう。高く浮いたチャンスボールの打ちミスは、「やっちゃった!」とは思うけれども、次のプレーへ気持ちを切り替えやすい部分もある。

 それでは、どんなミスが選手への影響が大きいのか。個人的に、中級レベルまでの選手で一番尾を引くミスは、バックサイドのツッツキやブロックに対する「回り込んで詰まって打ちミス」のパターンだと思う。せっかく頑張って回り込んだのに、ツッツキに対して詰まってネットミスをしてしまったり、ブロックが食い込んで来て攻撃をミスしてしまう。気持ちの切り替えが難しい、なんとも「萎(な)える」ミスだ。なんとかボールを相手コートに運んだとしても、浅くてあまいボールになり、ブロックで振り回される。

 こういうミスをする時、選手の頭は「攻めよう!」という意識に支配されている。そこで無理に回り込んで自滅の罠(わな)にハマってしまうと、プレーは次第に防戦一方になっていく。そんなタイミングでベンチから「弱気になってるぞ!」「攻めろ!」という声がかかり、また回り込んで同じようなミスをしたら、プレーは完全に崩壊してしまうだろう。

 そんな自滅のパターンから選手を救うべく、卓球王国10月号(8月発売号)の「脱・自滅」のフットワーク・第2回は、回り込みがテーマだ。詰まってしまう平行足での回り込みから脱却し、相手のコート全面にボールが打てる基本の回り込みの動きから、対上回転/下回転でのフットワークの調節、回り込む時に備えておくべき意識に至るまで、9ページで丁寧に紹介する。

 「攻めなきゃ!」「回り込まなきゃ!」という強迫観念で、プレーの幅を狭めていたアナタ。今回の「脱・自滅」のフットワークを読んでも、すぐに回り込みがうまくなるわけではないですが……試合でのプレーがずいぶん楽になることは保証いたします(柳澤)。
  • 「詰まってミス」「入れるだけ」の回り込みから脱却しましょう