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 「オーダーは誰にも相談しません。必ず自分ひとりで決めます」。少し意外な発言だった。日本女子チームの村上恭和監督の言葉だ。4月6日、女子NT合宿の合間を縫って、味の素ナショナルトレーニングセンターで取材をお願いした。テーマは「再戦」。予選リーグで敗れたドイツと、翌日に準々決勝を戦った日本女子。そして予選リーグで完勝した北朝鮮と、準決勝での大一番。それはまさに、今大会のクライマックスのひとつだ。

 「人と相談して決めたオーダーは、相手にとっても読みやすいんですよ。相手を驚かせるようなオーダーは、ひとりの人間の発想やひらめきからしか生まれない」。そう言った後で村上監督は、こう言葉をつないだ。「それでもしオーダーが外れたとしても、『ウン、予想どおりだった』と言えばいい。そのひと言で済むでしょう?」。……監督たる者の覚悟。それは口で言うほど、簡単なことではないはずだ。

 世界選手権の団体戦は、スウェイスリング方式と呼ばれるABC-XYZの試合方式だ。今大会、日本女子は予選リーグの第4戦・タイ戦までの4試合はすべてXYZ、逆に第5戦から決勝までの4試合はすべてABCとなった。……この「ABC-XYZ」という言葉、よく耳にはするが、何のことだかわからないという方も少なくないはず。今回は村上監督にしっかり解説していただき、そのメカニズムとオーダーのセオリーも語ってもらった。
 
 予選リーグ第5戦、日本に対して中盤から俄然勢いづいたドイツ。トップのキム・ソンイが日本から先制点を奪いながら、明らかな体力切れで敗れ去った北朝鮮。その裏側とオーダーの駆け引きを、知将・村上監督の証言をもとに構成する最新号(6月号)の「再戦〜日本女子の激闘の舞台裏」。これまでとはちょっと違う切り口で迫ります(柳澤)。

卓球王国2016年6月号詳細http://world-tt.com/ps_book/back.php?lst=2&mcd=AZ230