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 12日の理事会後の前原正浩専務理事の会見では「プロリーグ設立がなかなか進まない」という印象を多くの記者は持ったはずだ。
 かねてから、日本リーグがプロリーグのネックになる、日本リーグが反対しているから進んでいないという印象を持っている関係者は多い。
 そこで日本リーグ・佐藤専務理事ととプロリーグ設立検討準備室・松下室長の説明をほぼ同時に聞くことができた。お互いの考えの違いは鮮明だ。

 日本リーグとしては、まだプロリーグの全容が見えてこない段階でありながらも、もしプロリーグができたら日本リーグが存続できない、企業スポーツとして終わってしまうという危機感を持っている。
 当然だろう。現状が各チームにとってベストだとすれば、プロリーグができて日本リーグが格下に扱われたり、選手が流出してしまうとチームがなくなってしまうという危機感だ。日本リーグのチームの中に何人かのプロ選手がいるとしても、リーグ自体はアマチュアリーグだ。勝っても負けてもチームは存続できるが、会社が経済状況などで突然廃部を決めることは過去にもあった。会社あっての卓球部なので、会社が日本リーグに意義を感じなくなった時点で卓球部は消滅する。

佐藤真二・日本実業団リーグ連盟専務理事のコメント
――日本卓球協会理事会では、プロリーグ設立に向けた賛否を12月にはっきりさせると言っていたことが先延ばしになりました。日本リーグとの話し合い、ヒアリングがもっと必要と言うことでした。
「私も12月の理事会でそうなる(賛否の決定)と思っていました。日本リーグサイドは8月28日のプロリーグ設立検討準備室(以下準備室)との話し合いで、日本リーグ用のプレゼン資料を用意してくださいと要望しました。ところが10月5日の話し合いで出てきたものは従来の企画書であり、プロリーグを作るうえでのメリット、デメリットの説明がない。明らかに資料として不足していると思っています。
 今までの資料は海外リーグの説明であったり、企業チームがプロリーグに参画できるかどうかを決断するのに必要な具体的資料、プレゼンではないと日本リーグサイドは判断をしています。もし示される企画書が理解できるものであり、加盟チームから理解を得られるものであれば手順を追って各チームのヒアリングをしてもらっていいと思っています。
 ただ現実的にはそれが不十分で、もし資料があがってきて日本リーグ内のプロリーグ対応委員会でその資料をもんで、準備室との理解のできる資料になれば手順を追って各チームにプロリーグの説明をする。その後、準備室が各チームと具体的なヒヤリングを行えばいいと考えています。
 だから理解・満足できる資料が出ていない今の時点で日本リーグは賛成も反対もない。プロリーグのほうは日本リーグを大事にしていくと言ってくれているので、互いが共存共栄できるように今後、現実的な問題を検証していけばいいと思います」  (続く/今野)
  • 日本リーグ専務理事の佐藤真二氏