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チーム・メイス VS. チーム・パーソン

キルゾーンマッチ
馮天薇(シンガポール)3−5 石洵瑶(中国)
シバエフ(ロシア)5−4 M.カールソン(スウェーデン)
早田(日本)5−2 スッチ(ルーマニア)

24分マッチ
馮天薇 1(-6、-7、6、7−10)3 石洵瑶
シバエフ 3(7、9、-5、10ー6)1 M.カールソン
早田 4(10、9、7、6、4ー7)1 スッチ

チーム・メイス 獲得ゲーム数20
チーム・パーソン 獲得ゲーム数13

決勝は馮天薇が石洵瑶に苦杯を飲まされたが、チーム・メイスがリードを守り、シバエフと早田がゲームを先行して勝利を確定づけた。
特にラストを任された早田の試合は圧巻。

早田は1ゲーム目の10-10でネットインでラッキーなポイント。ノージュースのため、ゲームは早田へ行き、さらにリードを広げる。
スッチはこのポイントが相当にこたえたのだろう。2ゲーム目で7−1と大量リードしながらも途中から集中力が切れ、早田に追いつかれる。
早田はそれを逃さずに逆転でゲームを奪うと、メイス監督は思わず小躍り。
6ゲーム差はセーフティーリード。勝利を確信したチーム・メイスはベンチで大喜びだ。

早田は4ゲーム目も取り、キルゾーンマッチと合わせて5ゲームを獲得する殊勲。
チームの優勝を決め、はじける笑顔を見せた。

T2初代優勝チームに輝いたチーム・メイス。
優勝賞金15万ドル(約1600万円)を手にした。
  • シバエフがチーム・メイスを勢いづけた

  • 早田は気負いなく、最高のプレー

  • 優勝が決定し、お祭り騒ぎ

  • チーム・メイスが初代優勝チームに輝いた

 男子に引き続き行われたファイナル4女子決勝。サンリツを下して勝ち上がったアスモと、年間3位から勝ち上がった日本生命の対戦は日本生命がストレートで快勝し、2年連続のファイナル4制覇を決めた。

【女子決勝】
日本生命 3-0 アスモ
○前田 8、9、5 平田
○常晨晨 -7、8、4、10 小道野
○田代/前田 11、-8、4 平田/永尾

 日本生命は好調の前田美優が今日もトップで平田有貴を寄せつけず快勝。2番の常晨晨は小道野結に苦しめられながらも、最後の1本を執念でねじ込み勝利を上げる。日本生命の田代早紀/前田美優は昨日2敗と勝利を上げられないでいたが、今日は長いラリーでも打ち負けずに全日本王者の平田有貴/永尾尭子ペアを撃破。3試合を勝ち抜き、年間3位から優勝に上り詰めた。
 昨年は前・後期リーグ、ファイナル4を制した日本生命だが、今年は日本リーグ、さらには全日本実業団、全日本総合団体とすべてタイトルを逃してきた。そんな中で最後の最後につかみとったファイナル4のタイトルに、選手達は涙が止まらなかった。
  • 今日も強かった前田。単複2得点と大暴れ

  • 苦しみながらも小道野を振り切った常晨晨

  • 昨日ダブルス2敗の田代は優勝を決めてうれし泣き

  • 食らいついた小道野だったが惜しくも敗れる

 昨日より沖縄・那覇市民体育館で開催されていた日本リーグプレーオフ・JTTLファイナル4決勝が本日行われ、10時よりスタートした男子は協和発酵キリンが2年連続2度目のファイナル4優勝を決めた。

【男子決勝】
協和発酵キリン 3-0 東京アート
○上田 5、6、4 吉田
○吉田 4、-9、8、4 高木和
○松平/上田 7、-6、9 張/高木和

 男子は前期優勝の東京アートと、後期優勝の協和発酵キリンが11年連続のファイナル4決勝での顔合わせ。昨日のトーナメントAの試合では東京アートが勝利していたが、協和発酵キリンがリベンジ。
 トップで上田仁が台上からの速攻で主導権を握りストレートで勝利。吉田海偉のペースに持ち込ませずに最高のスタートを切った。2番には故障で後期日本リーグからベンチを温めつづけてきた吉田雅己を満を持して投入。昨日上田を破っている高木和卓との打ち合いをストレートへのコース取りを有効に使いながら制し、一気に王手をかける。ダブルスも1ゲームこそ落としたが、2-1で勝利し、昨日の初戦で敗れた東京アートにストレートでリベンジ。2年連続のファイナル4優勝を決めた。
  • 海偉を完封した上田

  • 故障明けの吉田雅己も気合いのプレーで勝利

  • 昨日は上田を下した高木和だったが・・・

  • 今シーズン限りで引退の森本を胴上げ

 12月9日の夜、T2の最終日を前にして、ホテルのプールサイドでリラックスした食事会があった。最終日の後には各選手がすぐにシンガポールに移動し、帰国の途につくため、最終日前日に行ったパーティーだ。無事に「シーズン1」を終え、代表のフランク・ジーやCEOのジェフ・チューには安堵の表情が浮かんでいた。

 まだ来シーズンの「T2シーズン2」をどの時期に、どのようなメンバーでどういう方式でやるかは明らかにされていないが、シーズン1を走り続けたT2が終わろうとしている。
 フランク・ジーが言うように、もし日本で開催できるなら、卓球ファンにとっては朗報だが、彼らをサポートし、実行に移せるようなビジネス感覚を持った集団が日本にいるかどうかは疑問。
 固定観念で仕事する人たちには到底この「卓球エンターテインメント」を実行するエネルギーはないだろう。広告代理店やテレビ局が動き出すかどうかも予測はつかない。しかし、革新的なこのゲームの灯を消してはいけない。

 フランク・ジー代表のコメント
「ファイナルを迎えることができてみんなに感謝したい。今シーズンはワールドツアーとのカレンダーの問題でみんなに迷惑をかけたことを謝りたい。来シーズンはもっとよくなる。これから国際卓球連盟と話し合い、試合スケジュールのカレンダーを話し合いたいと思っている。
 ITTFはT2があることでトップ選手がワールドツアーに出ないようになっていることを危惧している。だからその問題を解決して、もっとよりよい方法を選択したい。あと1年ここマレーシアでやって、2019年のシーズンは日本でやりたいという希望がある」
(今野)
  • 見事な手腕でT2を成功させたフランク・ジー氏

  • 19年は日本での開催を計画しているT2

 本日より沖縄・那覇市民体育館で開催されている日本リーグプレーオフ・JTTLファイナル4。初日の今日は準決勝までが行われ、明日の決勝に進出するチームが決定した。試合の結果は下記のとおり。

【男子】
〈トーナメントA(年間1位vs年間2位)〉
東京アート(年間2位) 3-1 協和発酵キリン(年間1位)
○高木和 6、7、-6、-5、10 上田
○吉田 -9、7、7、5 平野
 高木和/張 -14、-8 松平/上田○
○張 -5、9、10、7 松平
→東京アートは決勝進出

〈トーナメントB(年間3位vs年間4位)〉
シチズン時計(年間3位) 3-2 リコー(年間4位)
 町 -4、-10、-4 有延○
○御内 5、6、-7、-10、9 山本
 軽部/町 -4、-11 鹿屋/有延○
○軽部 8、9、-9、4 池田
○神 -9、8、16、6 鹿屋
→シチズン時計は準決勝進出

〈準決勝(Aの敗者vsBの勝者)〉
協和発酵キリン 3-1 シチズン時計
○上田 3、8、7 御内
 笠原 8、-8、-9、-8 町○
○松平/上田 8、6 軽部/町
○平野 8、7、13 神
→協和発酵キリンは決勝進出

【女子】
〈トーナメントA(年間1位vs年間2位)〉
アスモ(年間2位) 3-1 サンリツ(年間1位)
○永尾 -7、9、7、-8、9 森薗
 馬場 -9、-9、7、-13 平○
○平田/永尾 9、9 松本/平
○平田 7、9、-10、5 大矢
→アスモは決勝進出

〈トーナメントB(年間3位vs年間4位)〉
日本生命(年間3位) 3-2 中国電力(年間4位)
 常晨晨 -9、9、6、-7、-8 土田美佳○
○森 -11、4、-7、7、10 三宅
 田代/前田 -9、-7 土田美佳/宋○
○前田 3、4、-5、-9、10 宋
○浜本 -9、8、-7、6、9 成本
→日本生命は準決勝進出

〈準決勝(Aの敗者vsBの勝者)〉
日本生命 3-1 サンリツ
○前田 5、8、10 平
○常晨晨 9、9、8 森薗
 田代/前田 -11、-5 松本/平○
○浜本 6、10、7 大矢
→日本生命は決勝進出

 男子はまず前期優勝の東京アートが後期優勝の協和発酵キリンを破って決勝進出を決める。トップで高木和が社会人王者の上田をフルゲームで下し、2番の吉田も老かいなプレーで平野に勝利し、一気に試合を有利に運ぶ。ダブルスを落とすも張が松平をシャットアウトし、11年連続のファイナル4決勝進出を決めた。
 ファイナル4初出場のリコーはルーキー有延が2点取りも、惜しくもシチズン時計に及ばず。0-2から追い上げた山本、神と打ち合いを展開した鹿屋と、会場を沸かせたが初戦でファイナル4を去った。
 準決勝の協和発酵キリン対シチズン時計は協和発酵キリンが勝利し、決勝進出。今年は前期、後期ともシチズン時計に敗れていたが、トップで上田が完ぺきなカット打ちを見せて御内に勝利すると、2番が敗れて1-1となるも、ダブルスをきっちり奪い、4番で平野が神との同級生対決を制して再び東京アートにリベンジの機会を得た。ファイナル4がスタートして今年で11回目だが、これで男子は11年連続で東京アート対協和発酵キリンのカード。今年の日本リーグでは協和発酵キリンが2勝0敗となっているが、今回はいかに。

 女子は前期優勝のアスモが平田、永尾の活躍で後期優勝のサンリツを下して決勝進出。後期リーグでは7位に沈み、入れ替え戦で1部残留を決めたばかりだが、若いメンバー揃いの爆発力は強みだ。
 日本生命と中国電力の試合はシングルス全試合がフルゲームまでもつれる大接戦。助っ人の常晨晨が敗れるも、森、前田が気合いでフルゲーム10本の試合をもぎ取り、ラストの浜本も成本に苦戦しながらも逃げ切って準決勝進出を決めた。
 決勝をかけた準決勝は日本生命がダブルスこそ落としたものの、シングルスで圧倒。トップの前田が気迫あふれるプレーで完勝すると、2番の常晨晨も相手エースの森薗を完封。浜本が4番で2試合続けてチームの勝利を決めて明日の決勝へと駒を進めた。アスモ対日本生命の今年の日本リーグでの対戦成績は日本成績の2勝0敗となっている。
  • 吉田、会心の試合を見せた

  • 平田の2得点でアスモが決勝進出

  • 準決勝で完ぺきなカット打ちを見せた上田

  • 前田、決勝進出に大きく貢献

  • リコー戦ラストで勝利の神だったが、準決勝では敗れる

  • サンリツの若きエース森薗は勝利を挙げられず

  • リコーは初戦で敗れるも有延がスパーク

  • 土田が2得点も中国電力は初戦で姿を消す

 まさにT2の試合方式はテレビ向けの卓球の演出と言えるだろう。時間が決まっているので放送時間も組みやすいし、キルゾーンやジュースなしのやり方が連続的に試合を盛り上げていく。
 また選手たちのウエアはアンダーアーマー、ナイキ、アディダスなどのシンプルでスタイリッシュなものを纏っている。これはある意味、既存の卓球ウエアが「ダサイ」ことを意味している。女子選手のウエアはやや露出が多いので、これもテレビを意識している。
 ブカブカの卓球ウエアよりも、フィット感の強いスポーツウエアのほうがアスリート感を演出できる。

 これらのアイデアや演出は卓球出身でない、代表のフランク・ジー、CEOのジェフ・チューと、卓球出身のミカエル・アンダーソン(元ITTF)が作っていったものだし、ビジュアルの作り方もテレビ的で秀逸だ。団体戦の一部を1時間切り出して、そのまま放送しても面白いだろう。
 T2を色モノ扱いするのは間違いだ。今まで卓球が考えてこなかった革新的な新しいやり方を作り出しているのだ。卓球というスポーツがドゥスポーツの枠ではなく、見ても面白い、エンターテイメントなものであることを証明したのだ。

 あとの問題は、継続可能なスキーム(計画)なのかどうかだ。代表のフランク・ジーが社長を務めるシーマスター(seamaster)という海運会社がメインスポンサーとして出資をしているが、今のところティバー(TIBHAR)のみがスポンサーとなっている。
 シーマスターはITTFのワールドツアーのスポンサーとなり、このT2の前に、しっかりと地ならしをして、スケジュールなどで円滑に進めようとしていた。
 今後、メインスポンサーやテレビ放映権、インターネットでの配信権が売れないことには、継続ができないのではと心配する向きは多い。

 これだけのものを作り上げたT2が発展していくことは卓球にとっても歓迎すべきだろう。何より、卓球の人たちの凝り固まったアイデアによる大会運営ではなく、プロフェッショナルなエンターテインメントが卓球の面白さを引き出してくれる。
 と同時に、観る人を楽しませるような卓球のルールは通常の試合に応用されることが期待される。
 来年から始まる日本のTプレミアでも観客やテレビを意識した試合方式が採用されるのだろうか。チーム集め、スポンサー集めに奔走するのもわかるが、肝心の試合のやり方、観客への見せ方の工夫の話は全く聞こえてこない。現地で観た人はT2が面白いものと感じているし、選手たちも集中し、勝ちたいと強く思っている。T2にはたくさんのヒントが詰まっている。  (今野)
  • 試合の流れがすぐに変わるシステム。熱い試合が多くなる

  • インタビューもその都度撮影

  • 代表のフランク・ジー氏

  • T2は卓球をファンに見られるスポーツに発展させている

  • 水谷は今回ナイキのウェアで登場

  • スッチのウェアは毎回斬新だ

 画期的な卓球エンターテインメントの「T2 APAC」。
 運営費に数億円を投じ、マレーシアのジョホールバルの映画スタジオを借り切り、カメラ10台を回し、あらゆる角度から卓球の醍醐味を伝えようとしている。日本の水谷隼をはじめ、ボル、オフチャロフ、サムソノフ、荘智淵、丁寧(初戦のみ)、馮天薇、早田ひな、梁夏銀、などの世界のトップ選手を集めたエンターテイメント。賞金総額約2億円。
 大きな会場で観客を多く集めるのではなく、インターネットを通して世界中の人に提供するやり方を貫く。
 女子の初代王者はルーマニアのスッチ、というのはご愛敬だが、これはT2の試合方式が時にギャンブル性を発揮するからだろう。もちろん、その部分が観る人を熱くさせている面もある。

 最大の特徴は時間制限制であり、その時間内でのゲーム(セット)数を争う。ゲームが10-10になったらジュースなしの1本勝負。残り試合時間2分を切って最終ゲームに入ったら5本勝負の「キルゾーン」に入る。
 時間制限があるため1本ごとの遅延行為は認められず、ボールはボールボーイが次々と選手に渡す。試合のテンポは非常に心地よい。
 T2の初戦が6月にあり、その後、日本で全日本実業団選手権の取材。団体の準決勝や決勝の試合で、ゆっくりとしたボール拾いと間の長さで、1試合が50分を超えることがありたまらなかった。間延びして、完全に観客無視の状態。もしそんな調子で団体ラストまで行ったら、4時間を超える試合になってしまう。これはワールドツアーなどでも見られる光景だ。

 ブンデスリーガではたくさんのボールを使って、ボールボーイならぬ審判が次々と選手に渡す。これもストリーミング(映像配信)を意識したルールだ。
 
 さらにT2はポスター、トレーディングカード、プロモーションビデオなど、徹底してビジュアルにこだわっている。写真撮影などの選手負担も相応にあるとのことだが、卓球選手の露出のさせ方が素晴らしい。まるで劇場映画の予告編を見ているようだ。

 その試合そのものも、まさに劇場型卓球の演出に徹底している。ツアーや全日本選手権などの真剣勝負を観ている人からすれば、やりすぎに見えるかもしれないが、エンターテイメントと思えば納得するだろうし、独特の試合方式のせいで選手たちは真剣勝負を繰り広げるのが特徴だ。 <続く> (今野)
  • 会場のパインウッドスタジオ

  • 試合前には監督、選手たちが戦況を予想するなど、テレビを意識した演出だ

  • ボールボーイが新しいボールをすぐに投げてくれる

  • 水谷隼のポスター。こんな卓球選手の見せ方は他にはない

女子個人戦の決勝 スッチvs.馮天薇のカードは、ほとんどの人が馮天薇の勝利を疑わなかっただろう。
馮天薇は世界ランキング11位であり、2010年世界選手権モスクワ大会で中国の丁寧、劉詩ウェンを破り、シンガポールの金メダルを決めた強豪だ。オリンピックでも北京、ロンドンと2大会続けてメダルを獲得している。
対するスッチの世界ランキングは57位。馮天薇から見れば格下の選手だろう。直近のワールドツアーでは15年ベルギーオープンで対戦しており、その時は馮天薇が4−0で勝利している。
試合も例にもれずに馮天薇のペースで進んでいった。

しかし、そこにT2ならではの特殊ルールがあれば過去の対戦経験は意味を持たない。
24分間の時間制限、ジュースなしの11点制、5点で決まるキルゲーム、非常に近い観客席、ワールドツアーとは違うプラボールなど、T2ルールが試合の行方を変えていく。

団体戦後半で無類の強さをみせるスッチは、とにかく「見られるのが好き」な選手だ。
会話が聞こえるほど近い観客席を味方につけ、会場をまるごと「スッチワールド」へ引き込んだ。

両者が緊張するキルゾーンでも強気のプレーを選択し、それが通れば勝ち、通らなければ負けというギャンブル制の強さがあり、観客の心拍数を上げていく。
もちろん通ったならば、大拍手の押せ押せモードが会場を包む。
もし11点制7ゲームで行っていたら馮天薇が勝っていたかもしれないが、今日のスッチは強かった。

優勝を決め、パーソン監督をはじめ、会場裏で練習をしていた団体戦のチームメイトとひとりひとりハグ。観客との写真撮影にも笑顔で対応し、スッチワールドは表彰式が終わっても会場を支配していた。

これがT2だ。と言わんばかりの試合だった。

10日の団体戦では早田がスッチと対戦予定だが、「スッチはチャンピオンなので、思い切りぶつかるだけです!」(早田)とコメント。
ノリノリのスッチは、団体戦ではどんなパフォーマンスを見せてくれるだろうか。
しかも試合は全試合のラスト。これはまた何かが起こるかもしれない。
  • 入場から空気を作ったスッチ

  • 「信じられない」と興奮が醒めやらぬ

  • 2日連続でパーソン監督の胸に飛び込んだ

  • 早田は本日は休憩。10日の団体ではスッチと勝負

●女子個人戦
3位決定戦
劉斐(中国)8、-9、9、1−5、8 石洵瑶(中国)

決勝
スッチ(ルーマニア)-9、10、9、-4、KZ5−3 馮天薇(シンガポール) 

3位決定戦は中国の若手選手同士になり、大接戦を展開。
試合前の練習でもふたりで打っていただけにお互いにやり方もわかり、ボールも合うのだろう。
長いラリーが続き、2ゲームずつ取り合い、サドンデスに突入した。
劉斐のカットを懸命に打った石洵瑶だが、最後は疲れが出てきたか。劉斐が勝利し、初めて笑顔を見せた。

決勝は馮天薇有利の大幅予想を覆し、スッチが劇的優勝。
ラリー能力では馮天薇が上回るが、スッチはしゃがみ込みサービスでエースを取り、点差を離さない。特に3ゲーム目の9−9で2本のサービスエースを取り、ゲームをリードしていく。フォア前に短く出される横下と横上のしゃがみ込みサービスに対して、馮天薇は強く払いにいけず、弱気に繋いだボールがオーバーミス。ゲームを先行し、のりにのったスッチは強い。

さらにお祭り女のスッチは会場を味方につけていき、独特の空気感を作っていく。
「見られたほうが強い」と評判高いスッチにとって、狭いT2の空間はまさにホームだった。何度も中国越えを成し遂げてきた馮天薇でもこの流れを止められなかった。

「とても幸せ。本当に信じられない」と興奮気味のスッチ。
T2個人戦の初代女王に輝き、優勝賞金4万ドル(約440万円)を手にした。
  • 劉斐は安定感が高いカットで3位入賞

  • 石洵瑶のカット打ちはミスがなかったが、最後は粘れなかった

  • ようやく笑顔を見せてくれた劉斐

  • 馮天薇はフォア前の弱点を露呈

  • 次々にサービスエースを取ったスッチ

  • 劇的勝利にテンションMAX

T2グランドファイナル2日目、ついに団体戦の決勝が行われた。
決勝はまず6人中3人の選手が24分間の試合を行い、その後同じ3選手が5ポイントマッチのキルゾーンマッチを1試合行うというグランドファイナル限定ルール。

総合1位のチーム・メイスと2位のチーム・パーソンが決勝で対峙した。

チーム・メイス VS. チーム・パーソン
ボル(ドイツ) 2(10、10、-8、7-8)2  水谷(日本)
梁夏銀(韓国)4(6、4、3、10、4−5)1 サウェータブット(タイ)
陳建安(タイペイ)3(-10、-8、3、9、10−2)2 朱世爀(韓国)

キルゾーンマッチ
ボル 5−2  水谷
梁夏銀 3−5 サウェータブット
陳建安 2−5 朱世爀

チーム・メイス 獲得ゲーム数10
チーム・パーソン 獲得ゲーム数7

ボルvs水谷の超高レベルカードでスタートした決勝。
水谷は2ゲーム目の10-10でアンラッキーなネットインでゲームを失うなど、試合の流れをなかなかつかめなかったが、そこから2ゲームを取り返し、2−2のタイに持ち込んだ。
「特殊なルールなので、取り損ねたゲームは仕方がなかった。でも集中力を切らさずに3ゲーム目を取れて、4ゲーム目もラスト1本取れたので良かった。チーム戦だし、明日は応援で頑張ります」(水谷)

その後のキルゾーンマッチではボルに敗れたが、どちらに転ぶかわからない紙一重の試合だった。
ボルも水谷も決して本調子ではなかったが、プロ選手として素晴らしいパフォーマンスを見せただろう。

2試合目は梁夏銀が4ゲームを荒稼ぎする活躍。
バック対バックで優位に立ち、サウェータブットが無理をしてフォアで回り込むボールを冷静にカウンターで振り回す。同タイプのふたりだが、安定感と戦術では梁夏銀のほうが1枚上手だった。
5ゲーム目の4−2で、残り時間は数秒の場面、プレーが始まったが時計が動いておらず、4−3となった。セーフティーリードがなくなり、メイス監督が抗議したが覆らずに4−4でタイムアップ。最後のポイントをサウェータブットが取り、4−5で1ゲームを奪った。
これがなければ梁夏銀が5ゲームを取っていただけに、メイス監督は怒りが収まらなかった。
それでも梁夏銀は大仕事をしただろう。

3試合目は陳建安が強気のカット打ちで攻め立てるが、カットに攻撃に縦横無尽な朱世爀がそれを許さない。1ゲーム目に8−4と陳建安がリードしていても、朱世爀にとってはまだ諦めるゲームではなかった。じりじりと追い詰めて、10−8から10−10に追いつくと、サービス3球目で10−11(ノージュース)で逆転勝ち。そのまま2ゲームを連取した。

だが、陳建安も黙ってはいない。
代名詞のフルスイングがバチバチと決まり、2ゲームを返し、さらに5ゲーム目に突入。
止まらない陳建安は一気に攻め立てて、朱世爀を2点で完封した。
キルゾーンマッチでは朱世爀が勝利したが、チームメイスのリードで決勝の前半戦を終えた。
朱世爀は今大会でプレーヤーとして引退という話だが、試合後のインタビューでは「すでにコーチとしてやってるよ。でも戻ってくるかもね(笑)」とカムバックも匂わせた。
まだまだ体のキレはあるが、最近は怪我が絶えなかった朱世爀。このT2を最後にプレーが見られなくなるかもしれない。残念がるファンは多いはずだ。

前半戦が終わり、団体戦のゲーム差は3。
10日の決勝戦後半にはチーム・メイスから早田ひなが登場する。
  • 水谷に辛くも勝利したボル

  • 水谷の調子は悪くない。明後日はシングルスの3位決定が控えてる

  • 3ゲーム目から爆発した陳建安

  • 朱世爀はこれで引退か!?

  • チームの躍進に貢献した梁夏銀

  • キルゾーンで勝利し、面目を保った朱世爀