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速報・現地リポート

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全日本卓球選手権大会

 ジュニア男子1回戦、体を大きく使い、左腕から放つキレのある両ハンドドライブで積極的に攻めた愛村優太(松元卓運)。ジュースの連続となった1ゲーム目を16−18で落とし、残念ながら初戦突破はならなかったが、全日本の舞台に堂々のデビューを飾った。

 松元(松元町)といえば、かつての「卓球の町」というスローガンをご記憶の方もいるのではないだろうか(2004年に鹿児島市に吸収合併)。ピッチの早い攻撃卓球で名を馳せてきた松元卓運も、卓球ファンにはお馴染みのチーム。現役のトップ選手では鹿屋良平(リコー)など、多くのトップ選手を世に送り出してきた。愛村選手も練習を行う松元平野岡体育館は、昨年の全日本団体の会場となり、今年はかごしま国体・卓球競技の舞台として、各都道府県の代表選手たちが火花を散らす。

 「全日本では、やってきたことをうまく出せたかというと……出せないところが多かったです。大会前には結構練習をやり込んできました。ラリーでは粘れたところがあったし、サービスも効いたりしていたのは良かったです。今後はラリー戦でのコース取りや、しっかり先手を取って攻められるように頑張っていきたい」。試合後のミックスゾーンで語ってくれた愛村くん。最後は「頑張ります!」と元気な声で締めくくってくれた。サウスポーながら、好きな選手は樊振東(中国)とのこと。

 ベンチに入った父・拓也さんもかつて全日本に出場し、全日本社会人では4回戦まで進出した実力者。「息子のベンチに入れたというのはうれしいですが、試合では緊張のほうが大きく出てしまった。大会前の練習では高校生相手にも勝ち越すことができていたので、練習してきた部分が出せればいいと思います。実力を出し切れなかった悔しさを力に変えて、『このままでは終われない』という気持ちでやってもらいたい」と期待を寄せた。来年も全日本の舞台で会おう!

●ジュニア男子1回戦
河合優駿(湘南工大附高) 16、4、8 愛村優太(松元卓運)
  • サウスポーの愛村選手

  • チャンスボールは思い切って回り込み、フォアを振り抜いた

  • 右はベンチに入った父・拓也さん

●混合ダブルス1回戦
手塚大輝/松下紋加(静岡学園高/浜松学芸高) 4、-4、2、4 石塚智大/石塚美和子(米子球友会/個人)

 混合ダブルスのドローに、その名前を発見し「お!」となった。今から15年前のジュニア女子優勝の石塚美和子が現役引退以来、3年ぶりに全日本に帰ってきた。四天王寺高時代に左腕からの伸びやかな両ハンドドライブで全日本ジュニア王者となった石塚は、日本リーグの十六銀行、アスモ(現デンソー)でも活躍。今から3年前に現役を引退し、現在は故郷の鳥取でコーチとしてジュニアを指導している。
 「今はまったく自分の練習はしていないし、試合にも出ていない」という石塚。全日本に出場したきっかけは、弟・智大の「全日本に出たい」という夢を叶えるため。公式戦に出場するのは引退試合ぶりだったというが、見事、鳥取予選を通過して弟の夢を実現させた。
 「独特の雰囲気がある中で、少しは緊張したけど、思い切ってやろうと思っていた」という試合のほうは第2ゲームを奪ったが、レシーブ、台上で苦しむ展開が多く、高校生ペアに1-3で敗戦。3年ぶりの全日本は初戦で幕を閉じた。
「第一線でやっていた時とは違っていますね。でも、現役の時と同じく、1本1本頑張ろうと思って試合をしていました」(石塚)
 コーチ業については難しさも感じているようで、勉強中とのこと。「指導は難しいですね。小学生をメインで教えているんですけど、感覚的なアドバイスじゃなくて、しっかりわかるように伝えないといけないので、そこの難しさを感じています。選手の時と同じような感覚で教えてはダメなので、そこは卓球を噛み砕いて教えないといけない。あとは、みんな卓球が好きでやっていると思うので、メリハリをつけて頑張ってほしいなと思います」(石塚)
 一瞬の現役復帰となった石塚だが、故郷・鳥取から自身に続く後輩を輩出すべく、指導者として第二の卓球人生を歩んでいる。
  • 右が弟の智大選手。目元が似てます!

●ジュニア男子1回戦
勝又優哉(浜松修学舎高) 9、5、9 阿部鴻憲(錦桜紅羅舞)

 今大会、ジュニア男子には松島輝空(木下グループ)、吉山和希(TC中原)、阿部鴻憲(錦桜紅羅舞)、3人の小学生が出場。3人ともに小学6年生で、その中で最年少にあたるのが2007年8月1日生まれの阿部だ(松島:2007年4月29日生まれ、吉山:2007年7月4日生まれ)。
 宮城県の北部、登米市にある錦桜紅羅舞でプレーする阿部。小学1年で卓球を始めてから5年で全日本の舞台に立った。ちなみに錦桜紅羅舞というチーム名は北上川にかかる「錦桜橋」に由来する。「予選は最初は抜けられると思っていなかった」と語った初の全日本は緊張感の中でのプレーとなったが、動き回ってフォアでアグレッシブに攻めて高校生相手に善戦。ストレートで敗れたが、堂々の戦いぶりだった。
 敗れたばかりだったが、「緊張感がすごかったし、強い人ばかりの中でプレーできて良い経験になりました。来年も全日本に出て、今回よりも良いプレーをして、成績を残せるようにしたい」(阿部)とミックスゾーンでは凛々しく、そして落ち着いた話しぶりで今後の目標を語ってくれた。憧れの選手は?と聞くと、同じ宮城出身の張本智和(木下グループ)の名前をあげた阿部。大先輩と同じように、みちのくを背負って立つ選手に育ってほしい。
  • 足を使ったフォアドライブ連打を見せた

  • ベンチでの凛々しい一枚

●ジュニア男子1回戦
斉藤健太(関西高) 5、9、−8、6 隅川銀(松山北高)

 フロアに入ってきただけで目を引く194cmの長身。昨年8月の鹿児島インターハイ、男子団体での整列を見た時から気になっていた。周りの選手と頭ひとつ分違って見えるからだ。岡山・関西高の長身プレーヤー、斉藤健太がジュニア男子1回戦に登場し、3−1で勝利を収めた。リーチの長さを生かして台上プレーを確実にこなし、ラリー戦では正確な連続ブロックを見せた。この長身、ついつい「和製サムソノフ」なんて言いたくなるが、誰か影響を受けた選手がいるかと思いきや「特にいない」そうです。

 ちなみにお母さんは、91年世界選手権千葉大会に日本代表として出場した道広(旧姓)友子さん。そういえばお母さんも長身プレーヤーとして有名でした。弟の秀太選手も、ともに岡山・ねや卓球クラブで腕を磨いたペンホルダードライブ型で、現在は高知・明徳義塾中で活躍している。

 「緊張したんですけど、その中でも勝つことができて良かったです。背が高いと、遠いところは届くんですけど、体に近いミドルはちょっと取りにくいですね。あと手が長いので台上はやりやすい。その強みの部分を伸ばしていきたいです」(斉藤)

 ちなみに「他のスポーツをやったら?」と言われることは結構あるそうで、「でも運動神経があまり良くないので……」と控えめなコメント。「小さい頃から卓球をやってきたし、あまり目立った成績が出せていないので、出せるまで卓球を続けたいと思います」。口調は穏やかでしたが、秘めた思いを語ってくれました。
  • 194cmの斉藤選手、スタンスの広さにビックリ

  • レシーブの構えもこのとおり。日本選手としては規格外

  • フェンスが小さく見えます。左は関西高の柏幸浩監督

●ジュニア女子1回戦
張本(木下グループ) 8、−10、1、5 橋本(敦賀高)
小塩(石田卓球クラブ) 5、5、7 増田(JUPIC)

 ジュニア女子1回戦、張本美和と小塩悠菜がともに1回戦を突破した。ふたりとも小学5年生だが、生年月日の差で小塩が今大会の女子最年少プレーヤーだ。

 張本は異質攻守の橋本に2ゲーム目を落とし、やや硬さも見られたが、ラリー戦でのバックハンドの威力と安定性でしっかり勝ち切った。
 一方、小塩はかつての中国式ペンカット型に近い変則グリップから、フォアスマッシュと裏面打法を繰り出し、レシーブからのラリーではシェークに持ち替えてカットも操るという独特なスタイル。しかもペングリップの時はフォア表、カットに持ち替えた時はバック表になるという……。全日本初戦という緊張感を感じさせず、冷静なプレーを貫いて「大物感」を漂わせた。姉・遥菜もジュニア女子に出場しており、順当に勝ち上がればジュニア4回戦で張本と当たる組み合わせだ。
  • 女子で大会最年少の小塩、前陣では裏面打法を駆使

  • カットも操る小塩。対戦相手は相当やりにくいだろう

  • 威力あるバック連打を見せた張本。どこまで勝ち上がるか

 今大会は大島祐哉と組む男子ダブルスのみのエントリーとなった水谷隼。開会式後の会見では、天皇杯返還の時の心境を尋ねられ、こんなコメントを残した。「(優勝を)いっぱいしたなと思いましたね。レプリカもたぶん10個目だとおもうんですけど、たくさんいただいて。でもこの全日本選手権が始まると、自分自身興奮してきたというか、勝ちたいなという気持ちが沸いてきたので、またいつか出場することも考えています」。……何とも思わせぶりな「水谷節」。そして水谷節はまだ止まらない。

 「今まで10回優勝して、ダブルスで7回優勝して、その水谷隼というのはもし今回ダブルスで優勝したら完全に引退すると思います。ただ生まれ変わって、違う自分として全日本選手権に出たいという気持ちはあります。そこでは全日本で優勝するだけの力はないと思うんですけど、持っている力をすべて出し尽くして、優勝を狙っていきたいとは思っています」(水谷)

 戦術、技術、練習に用具とすべての面において徹底して勝利にこだわり、誰よりも繊細に神経を注ぎ続けてきた水谷隼。そんな彼が、「自分の集大成、すべての力を出し切りたい」という東京五輪を最後に、「ニュー水谷」に生まれ変わるというのか。多彩な戦術と守備力の高さを考えれば、まだまだ勝ち星は稼げる。全日本シングルス通算84勝の水谷。連続優勝の記録を塗り替えるだけでなく、通算勝利数でも齋藤清の持つ101勝という記録が視野に入ってくる。

 「ぼくにとっては、いつもと同じ全日本という感じですけど、周りからは『すごくリラックスしてるね』とか、『試合に出ないからいつもと全然違うよ』と言われる。全日本の期間中は食事がのどを通らないことも多いんですけど、今年は違いますね。組み合わせに自分の名前がないだけで全然違う。
 もともとダブルスや団体戦は全然緊張しない。シングルスはとにかく自分の責任になってしまうので、緊張することが多いんですけど、ダブルスや団体戦ではあまり緊張したことがない。今後も卓球を続けていくならダブルスとか団体戦に出場したい」(水谷)

 ……結局、来年の全日本はシングルスに出るのか、どうなのか。名言を交えながら、報道陣を煙に巻いた水谷。この男の行くところ、話題は尽きない。
  • 果たして来年、ニュー水谷の登場はある?

 「目の前の試合」という言葉を、10回以上は使っただろうか。オリンピックイヤーを占う年明けの全日本選手権で、3年連続3冠という偉業への挑戦。それでも伊藤美誠は開会式後の会見で、「目の前の試合で自分の力を出し切ることが大事」と何度も繰り返した。

 成績を目標にしてしまうと、どうしても先を見て試合をすることになり、メンタルが影響を受けてしまう。目の前の試合で、1球ずつベストのボールを打ち続ければ、自ずと結果はついてくる。「目の前の試合」や「一戦一戦」という言葉は、コメントでは「おきまり」のキャッチフレーズだが、伊藤ほど徹底して実践している選手はそういないだろう。以下は会見でのコメント。

 「毎年、全日本選手権がその年度の初戦ということで、1戦1戦すごく大事にしたいと思っています。たくさん練習してきたので、試合するのがすごく楽しみですし、今日はミックスの初戦があるので、私らしく自分のプレーをして、楽しんでいけたらと思います。

 もちろん出るからには3種目とも優勝を目指しますけど、まずはミックスダブルスの初戦ですね。そこで勝って女子ダブルス、シングルスとつなげていきたい。目の前の試合で自分の力を出し切ることが大事で、それが目標でもあります。

 (ファンの方には)目の前の試合を楽しんでいるところを見てもらえたらいいなと思います。あとは実力が上がった自分を見てほしいなと思います。東京五輪に向け、1日1日がすごく大事になってきますけど、いつもと変わらず自分らしくいたいというのが今年の目標でもあります。目の前の戦いをやり抜いて、五輪につなげていきたいし、今は全日本に集中したい。

 3種目出るうえでは、気持ちの切り替えがすごく大事になってきます。練習をしっかりしてきたので、体力は保つと思いますが、一番大事なのはやはり頭の切り替え、気持ちの切り替え。勝っても切り替えをなるべく早くして、次の試合に備えたい。ミックスが全部終わってから女子ダブルスが入るのは自分にとってありがたい。ミックスにしっかり集中できるなと思います」(伊藤)
  • 「自分らしくいたいというのが今年の目標」と語る伊藤

 1月13日午前10時、昨年に続いて会場となる大阪・丸善インテックアリーナ大阪で、全日本選手権の開会式が行われ、7日間の熱戦がスタートした。開会式では前回チャンピオンの水谷隼(木下グループ)、伊藤美誠(スターツ)が天皇杯と皇后杯を返還。今年はダブルスのみエントリーした水谷は穏やかな表情、伊藤はいつもどおりの笑顔を見せていた。

 選手宣誓は伊藤美誠。「宣誓、我々選手一同は、歴史と伝統のある天皇杯・皇后杯2020年全日本卓球選手権大会の舞台に立てることを誇りに思い、これまで積み上げてきた努力の成果を発揮するとともに、支えてくださった方々への感謝の気持ちを忘れず、一球一球心をこめて、最後までプレーすることを誓います」と高らかに誓いの言葉を述べた。

 大会第1日目は混合ダブルス1・2回戦、ジュニア男子1回戦、ジュニア女子1・2回戦が進行。混合ダブルス2回戦では3連覇を目指す森薗政崇・伊藤美誠(BOBSON・スターツ)、張本智和・長﨑美柚(木下グループ・JOCエリートアカデミー/大原学園)などの強豪ペアが早くも登場する。今年も熱戦の数々を、ホットな写真と文章でお伝えします!
  • 10回目の天皇杯返還を行った水谷

  • 終始笑顔がのぞいた伊藤、3連覇への挑戦が始まる

  • 選手宣誓は伊藤。ビシッと決めました!

 男女シングルスの他にも、注目トピックスは盛りだくさん。男子シングルスは欠場となった水谷隼(木下グループ)だが、男子ダブルスには出場。今大会で優勝を果たすと、松下浩二、渋谷浩の持つ7回の記録を抜き、単独1位の8度目の男子ダブルス優勝となる。前回大会と同じく、大島祐哉(木下グループ)とのペアで出場するが、ダブルスでも歴代1位の座をつかみ取るか。

 次に今大会の男女シングルスの最年少出場者。男子は小学6年の松島輝空(木下グループ)で一般シングルスは今回が初出場、女子は小学5年の張本美和(木下グループ)で昨年に続き2年連続での一般シングルス出場となる。張本は前回大会で3回戦まで進出。松島も世界選手権1次選考会で金光宏暢(日本大)らから勝利を上げており、一般でも十分に戦えるポテンシャルはある。松島はジュニア男子と混合ダブルスにも出場しており、大会1日目から登場。昨年ベスト8まで勝ち進んだジュニアでは、張本智和(木下グループ)以来の小学生での表彰台を狙う。張本はジュニア女子、女子ダブルスに出場し、こちらも大会初日第1試合から登場する。

 女子はジュニア世代も将来性溢れる逸材揃いで、ジュニア女子でも白熱の優勝争いが繰り広げられそうだ。世界ジュニア優勝の長﨑美柚(JOCエリートアカデミー/大原学園)は今回エントリーがなかったが、昨年度大会でサプライズVを果たした出澤杏佳(大成女子高)が連覇を狙う。ジュニア女子の連覇となれば、2006〜2009年度大会で4連覇の石川佳純(全農)以来となる。今大会は中学生に有望株が揃っており、前回大会で中学2年にして決勝に進んだ大藤沙月(ミキハウスJSC)、中学2年にして一般準優勝の木原美悠(JOCエリートアカデミー)、世界ジュニア準優勝の中学1年の小塩遥菜(JOCエリートアカデミー)と注目株がめじろ押し。Tリーグでも勝利をあげた中学3年の赤江夏星(貝塚第二中)も高い攻撃力で大器の予感漂う。
  • 前回は3位に終わった水谷・大島。2年ぶりVで記録更新なるか

  • 一般男子最年少の松島。ジュニアでも期待がかかる

  • 張本は小5にして2年連続の一般シングルス出場

  • 出澤は石川以来のジュニア連覇に挑む

 続いて女子シングルスの展望を見ていく。女子の優勝戦線を引っ張るのは、現在2連覇中の伊藤美誠(スターツ)。世界ランキングを3位まで上げており、中国選手とも互角の戦いを繰り広げるなど、変幻自在の速攻プレーはこの1年間でさらに凄みを増した。女子シングルス、女子ダブルス、混合ダブルスと3種目のエントリーになるが、目の前の1試合1試合に集中しきれる精神力、そして重圧にも動じない鋼の心臓で優勝へ突き進む。3年連続の3冠となれば、男女通じて史上初の快挙。19歳の若き女傑が全日本の歴史に新たな伝説を刻むか。

 伊藤とともに五輪代表に内定している石川佳純(全農)、平野美宇(日本生命)はV奪還を目指す。両者は勝ち上がると準決勝での対戦となる。サービス・レシーブからのフォアドライブは鋭さを増した石川。女子の出場選手の中では「ベテラン」にあたる年齢となったが、プレーはより力強く進化中。平野は五輪シングルス代表を逃した悔しさ、選考レースの重圧から吹っ切れたような怒濤の猛攻が復活し、12月の世界選手権代表選考会を制した。前回大会では石川は早田ひな(日本生命)、平野は木原美悠(JOCエリートアカデミー)と年下に不覚をとったが、今大会は「さすが五輪代表」というプレーを見せたいところだ。

 五輪代表3人以外にも、多士済々の日本女子。昨年度大会では石川を破るなど、圧巻のプレーを見せた早田ひなは今大会第4シード。準決勝まで勝ち上がると伊藤と昨年のリベンジマッチとなる。持ち前の女子選手離れした両ハンドにサービス・レシーブが磨かれ、得点力が向上。このところ爆発力が鳴りを潜めている感があるが、全日本で再び会心のプレーを見せるか。前回大会ベスト8の加藤美優(日本ペイントホールディングス)は、よりアグレッシブなスタイルにパワーアップ。押し引き自在のラリーに加えて、打ち合いにも強くなり、12月の世界選手権選考会では平野と互角の打ち合いを演じた。
 佐藤瞳、芝田沙季、橋本帆乃香のミキハウス3人衆も上位候補。芝田はこの1年、インパクトのある活躍を見せられなかったが粘りと攻撃力の高さで実力をアピールしたい。丁寧(中国)に2連勝するなど、国際大会で強さを見せる佐藤だが、世界選手権選考会時に「海外選手より日本選手のほうがボールをしっかり選んで打ってくる」と同士討ちに課題を見せる。橋本も同様に、カット攻略に定評のある日本選手に勝ち続けるには何かブレークスルーが欲しいところだ。

 前回大会、史上最年少で決勝に進んだ木原美悠、日本女子初の世界ジュニア女王に輝いた長﨑美柚(JOCエリートアカデミー/大原学園)とジュニア勢も先輩に割って入りたい。木原のブロックには平野のほか、橋本、加藤、出澤杏佳(大成女子高)、さらに同学年の大藤沙月(ミキハウスJSC)がおり、混戦が予想される。長﨑は勝ち上がるとベスト8決定戦で佐藤との対戦となる。
 故郷・大阪で5年ぶりの表彰台となった森さくら(日本生命)、初のベスト8入りを果たした安藤みなみ(十六銀行)も上位を伺う。安藤はベスト8まで進出すると伊藤との対戦。伊藤を撃破した2016年度大会の再来なるか。成本綾海(中国電力)、野村萌(デンソー)と日本リーガーも意地を見せたい。
  • 史上初の3年連続3冠に挑む伊藤

  • 石川は4年ぶり5度目の栄冠を目指す

  • トップ12では復調を予感させた平野

  • 早田も虎視眈々と上位を伺う