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2017世界卓球デュッセルドルフ大会速報

●男子シングルス3回戦
村松雄斗  -7、-1、-3、-8  荘智淵(チャイニーズタイペイ)

 1ゲーム目、前半で村松の打ちミスがあり、荘智淵はミドル攻めも厳しく、7-11で落とす。2ゲーム目に入っても荘智淵の攻撃にミスがなく、村松は得点する術を見いだせない。1-11で取られた。
 3ゲーム目も流れをつかめない村松は1-4と出足で離され、3-11で落とし、後がない状態となる。
 4ゲーム目、中盤リードを奪うもすぐに追いつかれる村松。8-8から8-11。勝機を見いだせずにストレートで敗れた。

試合後の村松のコメント
「ビデオとかで研究したけど、思った以上に自分のカットとか攻撃が相手の得意なほうに行ってしまった。戦術の問題。前半で離されると、相手はミスがないので苦しくなってしまう。今日の試合では自分の持ち味が効かなかったので、世界のトップ10は違うなと思いました。もっと強くなって監督にも認められるようになりたい」
 卓球の改造に取り組んできた石川。その手応えも感じつつ、同時に悔しさをにじませた。しかし、ミックスゾーンではやりきった表情で、気持ちを明日の混合ダブルスに向けようとしているように見えた。

★試合後の石川のコメント
「攻めよう攻めようと思いすぎて、最初ペースがつかめなかった。3ゲーム目の途中から落ち着いてできた。丁寧とは新しいボールになって初めて対戦したので、レシーブの時に、思ったより回転がかかっていないなと思いました。

 4ゲーム目8-8でチャンスボールが来たのに、ミスをしたのが何でかな、と。サイドに来ていたのはうまく返していたけど、途中からミドルにしか来なくなって、それをバックで取ってしまってミスが出た。

 すごい準備をしていたけど、しゃがみ込みサービスが少なくなった。しゃがみ込みを使ってきた時にしっかり対応できたので、相手も出さなくなったのかもしれない。
 今まではどうやったら勝てるんだろうと思ったけど、今回はもっと磨けば次に勝てるかもしれないと思えたし、目標ができたし、自分のオリジナルのプレーをしていけばと。サービスも効いていたし、やっている方向は間違いじゃない。半年間やってきた方向性は間違いじゃない。自分で点数を取りに行く卓球をしないと勝てない」
●女子シングルス準々決勝・すべての試合結果
丁寧(中国) 8、2、ー7、8、2 石川佳純
平野 5、2、16、5 馮天薇(シンガポール)
朱雨玲(中国) 15、ー8、9、ー10、7、4 陳夢(中国)
劉詩ウェン(中国) ー1、6、8、3、7 木子(中国)

女子シングルス準々決勝、平野に続いてベスト4進出を目指した石川だが、丁寧に1ー4で敗れ、ベスト8で今大会を終えた。ベスト4は中国の丁寧、朱雨玲、劉詩ウェン、そして平野という顔ぶれとなった。

バック対バックの激しいラリー戦が随所に見られた、石川と丁寧のサウスポー対決。石川は緩急をつけながらバックハンドで対応するが、丁寧の安定したバックハンドに最後の一本でミスが出る。2ゲーム目は0ー6、1ー10と大きくリードを奪われた。

石川の反撃は3ゲーム目。出足で0ー3とされながら7ー5と逆転し、ここでバック対バックからフォアクロスのフォアカウンターが炸裂。11ー7でこのゲームを取り返す。
4ゲーム目も4ー8から8ー8に追いつき、このゲームを取れば互角の展開、というところだったが、ここで勝負に出た3球目の回り込み攻撃がミス。8ー11でこのゲームを落とし、5ゲーム目は0ー9まで一気に離されて万事休す。

これまでの対戦よりも、確実に勝利には近づいた石川。しかし勝利をつかむことはできず、試合後にベンチで悔しさを噛みしめた。
  • バック対バックで激しいラリーを展開した石川

  • 丁寧、競った場面での勝負強さはさすがだった

 メダルを決めた平野、ミックスゾーンでのコメントは以下のとおり。

「相手は対策を立ててやってきて、それに苦にすることなく4-0で勝てたのは、自分も成長していると思う。
 3ゲーム目、メダルを意識してしまって、ここで取ったら有利と思いすぎて、何本か取れなかったので、タイムを取って、そこから攻めの気持ちを忘れないようにしました。馮天薇とは12月のグランドファイナル以来で、その時は勝っているけど、相手も対策を立ててくると思っていたし、自分の卓球をしようと。

 サービスはいつの間にか効くようになっているし、自信を持っています。3ゲーム目の最後も打たれるかと思ったけど、恐れずに長いサービスを出しました。
 中国メディアが中国選手と当たらないから『直通ベスト4』と書いてあって、『そんなことないよ』と思ってました。中国選手とどこかで当たると思うので楽しみです。

 ここまで全力でやっている。スコアは4-0とか4-1だけど、全力という感じです。大会前に自信を持っていたことも、自信を持っていなかったことも通用していて、アジア選手権の時よりも成長している感じです」
●女子シングルス準々決勝
平野美宇 5、2、16、5 馮天薇(シンガポール)

平野美宇、女子シングルス準々決勝で馮天薇にストレート勝ち!
69年大会優勝の小和田敏子さん以来、実に48年ぶりの女子シングルスのメダル獲得!!

レシーブからの強打が少ない馮天薇に対し、フォア前とバック深くにアップ系のサービスを効果的に使い、主導権を握った平野。馮天薇が軽く合わせたバックドライブには、打球点の高いバッククロスのバックドライブを叩きつける。平野が一方的な展開で2ゲームを先取する。

馮天薇もさすがは百戦錬磨。3ゲーム目からはフォア前の強く弾くフリック、バックストレートへのバックハンドのカウンターなど、より攻撃的なプレーで応戦。平野が2ー6のビハインドから追いついてからスコアが離れず、ジュースへ。そこからは馮天薇のサービスで平野がゲームポイントを握り、馮天薇がレシーブでそれを跳ね返すというパターンが続く。
迎えた6回目のゲームポイント。平野がサービスで選択したのは、馮天薇のバックサイド、厳しいコースへのロングサービス。馮天薇が回り込んでくるのを察知したのか。馮天薇のフォアドライブがオーバーミスとなり、平野が大きな大きなゲームを取る。

4ゲーム目は平野が0ー1から6点を連取し、一気に突っ走った。10ー5のマッチポイントで、チキータで得点をもぎ取り、ジャンプ!
なんとストレート勝ちでメダルを決めた!
  • 平野美宇、日本の卓球史に新たな歴史を作った!

  • 馮天薇、3ゲーム目は食い下がるも、平野の速攻に敗れる

  • 歓喜!!!

  • 笑顔、笑顔のメダル確定だ

●男子シングルス3回戦
張本智和 7、10、8、10 廖振ティン(チャイニーズタイペイ)

 13歳のモンスター張本がチャイニーズタイペイの廖振ティンをストレートで下し、ベスト16入りを決めた。フォアフリックでの強襲や高速バック連打から、バックで微妙に長さに変化をつけるツッツキまで、多彩なテクニックを披露。リードを奪われても、まったくあわてることはなかった。

★試合後の張本のコメント
「観客席を見たら水谷さんもいて、水谷さんの前で負けるわけにはいかないし、水谷さんの分まで頑張ろうと思った。出足で相手のストップや思い切った攻撃が来て、少し焦りました。勝った瞬間はいつも応援席にガッツポーズをやるんですが、今日はうれしくて足まで上がってしまいました(笑)。

 昨日、部屋に戻ったら50件くらいLINEが入ってました。こっちに来るまでは1勝できるかどうかわからなかったので、こうなったら4勝でも5勝でもしたい。サービス、レシーブの調子が良いのでそこからラリーに持って行けているのがいい。アジア選手権と韓国オープンでは悔しい思いをしたので、5月からの合宿で今までにないくらい努力をしてきたので体力的にも、メンタルも強くなった。1試合でも多く勝てるように頑張りたい」
  • 張本、会場の観客も味方につけつつある

  • 足まで上がっちゃいました!

  • 寥振ティン、張本の術中にはまった感あり

 女子ダブルスとしては2001年の武田明子/川越真由以来のメダル獲得となった伊藤美誠/早田ひなのダブルス。勝利後のミックスゾーンでのテンションも高かった。

試合後の早田のコメント
「大会前からメダルを狙っていたので、目標を達成することができた。今までは美誠とペアを組むと思ったこともなかったし、ずっとミウミマに追いつこうと頑張ってきた。元々組む前からお互いの得意なプレーはわかっていたので、そこをどうつなげるかを練習してきた。今日はレシーブから相手を崩すことができた。美誠がチャンスを作って自分が攻撃することができた」

試合後の伊藤のコメント
「メダルを獲ることが目標で、個人戦でメダルを獲るのが初めてなのですごくうれしい。シングルスで負けた後は、気持ちを切り変えたというよりも、ダブルスでメダルを獲りたい気持ちが大きかった。私たちのペアはサービス、レシーブが豊富で、攻撃パターンも多いのが良いところですね。それに今日は粘り強かった」
●女子ダブルス準々決勝
馮天薇/ユ・モンユ(シンガポール) 9、ー6、9、10、ー8、8 陳思羽/鄭怡静(チャイニーズタイペイ)
陳夢/朱雨玲(中国) ー12、6、9、5、7 ウー・ユエ/リリー・チャン(アメリカ)
丁寧/劉詩ウェン(中国) 7、7、1、3 バトラ/ダス(インド)
早田ひな/伊藤美誠 10、8、4、6 杜凱琹/李皓晴(香港)

早田/伊藤ペア、香港ペアをストレートで下し、こちらもメダル獲得!
試合の勝負所では攻撃的なプレーを貫き、4ゲーム目10ー6のマッチポイントでは、早田のチキータでレシーブエースを奪った。

日本選手団が確定させたメダルは、これで4枚目。かつてないほどのメダルの量産体制だ。
2年前の蘇州大会では張継科/許シンにマッチポイント奪いながら逆転負けした大島/森薗ペアが、2年越しの念願のメダルを手に入れた。

試合後の大島のコメント
「2年間苦しんできたのに、これでメダルを獲れなかったらまた苦しんでしまう。その呪縛から解放されました。二人とも今日は緊張していて、あまり出来は良くなかったけど、ワールドツアーでも経験してきて、その積み重ねが今日生きたと思う。3ゲーム目で5-10の時でも、どんなに離されてもあきらめることはなかった。世界選手権の1本の重みはぼくらはよく知っている。5-10の時でも8とか9くらいまで食い下がって、次につなげようと思ってました。あそこで気持ちを切らさずにプレーできたのが勝因。
 2年前のマッチポイントからの逆転のことがあったので、最後はチキータで決めようと、俺に任せろと。12-11ではチキータで絶対いくと思っていた。日本人同士で決勝をやりたいけど、まずは一つひとつの試合を勝っていきます」

試合後の森薗のコメント
「試合前にこれまでの2年間を思い返してみた。今までワールドツアーで勝ったこともあるし、すぐに負けたこともあった。その度に大島さんと練習してきて、勝った瞬間にそれまでの苦しかったことを思い出した。3ゲーム目の5-10の時には、ぼくが廖にストップされて台上のボールを攻められなかった。大島さんに攻めるように言われて、そこで攻めたら良い展開になって、挽回することができた。2,3ゲーム目は自分たちの戦術が良くなかったので修正しようとした。ぼくのチキータが狙われていたので、最後は思い切り行こうと思った」
  • 勝利をつかみ取り、安堵感を漂わせた大島/森薗

  • 敗れた陳建安(左)/寥振ティン

●男子ダブルス準々決勝
森薗政崇/大島祐哉 6、9、10、ー8、11 陳建安/廖振ティン(チャイニーズタイペイ)

5ゲーム目、12ー11で握った3回目のマッチポイントで、森薗の乾坤一擲のバックハンド強打が決まった! 森薗/大島、タイペイペアを破って悲願のメダル確定。日本、男子ダブルスでWメダルだ!

うまくストレートを使うコース取りで、タイペイペアを崩した森薗/大島。2ゲーム目の序盤で、トスが斜めに上がっているとして森薗のサービスが2本フォルトを取られる場面もあったが、11ー9で2ゲーム連取。そして3ゲーム目は5ー10から7点連取で逆転し、一気にメダルに王手をかけた。

4ゲーム目を落としたものの、5ゲーム目は9ー4とリード。しかし9ー9に追いつかれ、10ー9、11ー10という2回のマッチポイントも決めきれない。前回のダブルス準々決勝、中国ペアに対して最終ゲーム10ー8で2本続けてストップにいき、逆転された森薗/大島。タイペイペアに打ち返されても、ここは徹底してチキータで勝負する。そして12ー11で迎えた3回のマッチポイントで決着をつけ、スタンドの日本選手団にガッツポーズ!