昨夜の高島スクール。
私の先輩への基礎編が終わると、高島さんの話はおもむろに上級編に突入した。
まずゲルゲリーの話だ。ゲルゲリーは高島さんのカットを毎回飛び跳ねながらドライブをし、それがとんでもない回転がかかっていたと言う。当時、ヨーロッパにはカットマンはほぼ絶滅していたので、ゲルゲリーはカット打ちというものをしたことがなかったというのだ。それで体格を活かして野生の勘で高島さんのカットを打つのだ。なんともすごい話だ。
次、ヨニエルの話。カットをガツンと切ると、ヨニエルはドカーンと絶対に取れないドライブを打ってくるという。切らないカットを送るとループでつないでくる。そして”ちょっとだけ切る”とボットリと落とすというのだ。なんという奥の深い話だろうか。しかしそのちょっとだけ切るというのをヨニエルの途方もないボールに対してやるのはとてつもなく難しいのだという。しかもヨニエルのドライブ、高い軌道でグングン伸びて曲がるので、フォアクロスを打つと横のフェンスにダイレクトで当たるという。「あんなもん入ったらカットしようがないですよ」
次、クランパ。何を考えているかまったくわからないそうだ。1ゲームめ、高島さんのカットをぜんぜん打てず、ボトボト落として「なんだ弱いな」と思っていると、次のゲームから別人のようにベキベキにドライブを打ちまくってきたという。実は彼は本当に半分頭がオカしいらしく、チームメイトも常々彼の奇行に困惑していたという。「彼は本当に天才です」と高島さん。ホントかよ。
最後、ステパンチチ。77年バーミンガム大会。監督から「ハンガリーとユーゴ相手のときはお前は出さないから」といわれた高島さん、いきなりユーゴ戦に起用され、ステンパンチチと対戦した。ところがこのステパンチチのドライブ、すべてがすべて逆モーションというかトンチンカンなフォームでしかもグニャグニャ曲がってぜんぜん触れず、試合開始とともに3球目ドライブ5本すべてノータッチくらって0-5。ありえないカット打ちだったという。もちろん負けた。ちなみにステパンチチとは75年カルカッタ大会個人戦準決勝で対戦しているが、そのときは普通だったという。2年間でステパンチチが精進したということだ。