中国の建国60周年を記念して、スポーツ界から60人の優れた選手を選出する「恒源祥-最具影響力的新中国体育人物評選(新中国で最も影響力のある人物コンテスト)」。8月20日時点での、ネット投票のベスト10は以下のとおりだ。
1. 姚明(男子バスケットボール)
2. 劉翔(男子陸上ハードル)
3. 王楠(女子卓球)
4. 羅雪娟(女子水泳平泳ぎ)
5. 胡栄華(男子中国将棋)
6. 伏明霞(女子水泳飛込み)
7. 張軍/高崚(男女バドミントン※混合複のペア)
8. 張昊/張丹(男女フィギュアスケートペア)
9. 李寧(男子体操)
10. 殷剣(女子ヨット)
…このランキング、たびたび順位の途中経過を覗いてみると、順位の変動が誠に激しい。どうも組織票が動いているようなフシもあり、今後もかなりの変動が予想される。その中で、安定してトップ3に入っているのは姚明(米NBAヒューストンロケッツ)。現在、左足の亀裂骨折の手術を受けて長期離脱中だが、やはりアメリカで成功をつかんだことが人気の理由だ。2位の劉翔は、北京五輪では1次予選のレース直前に棄権し、中国全土を落胆させたが、ジリジリとランクを上げてきた。
卓球選手では、王楠が堂々の3位にランクイン。ファンによるネット投票ということでやはり現役選手が有利だが、彼女の活躍はまだ記憶に新しいのだろう。ベスト10以外の卓球選手の順位は以下のとおり。
12位:孔令輝 13位:蔡振華 17位:トウ亜萍
19位:容国団 23位:張怡寧 25位:郭躍華
30位:曹燕華 38位:張徳英 41位:劉国梁
42位:王励勤 61位:荘則棟 78位:邱鐘恵
89位:李富栄 99位:張燮林 116位:林慧卿
119位:傅其芳
…ベスト10入りは王楠だけだが、卓球選手は安定して票を獲得しているようだ。この中で目を引くのが、38位と大健闘している張徳英。7月半ばの時点では、林慧卿や傅其芳とともに110位代に沈んでいたのだが、なんと70位以上もランキングを上げてきた。19位の容国団も没後40年以上が経過しながら、中国が生んだ初の世界チャンピオンとして、その存在感は別格だ。
13位にランクインした蔡振華は、選手時代の実績以上に、指導者として中国男子を復活させた手腕が評価されている。これは余談になるが、この蔡振華のライバルとして知られているのが、11位にランクインしている李永波(中国バドミントンチーム総監督)。卓球の代表選抜リーグに対して李永波が「欺瞞(ぎまん)だ、何の意味もない」と噛み付いたり、中国バドミントンチームが冬季の集合訓練のために国際大会を相次いで欠場した際、蔡振華が「李総監督は大局を見ていない」と名指しで批判するなど、仲の悪さは中国スポーツ界でも有名。現在では卓球とバドミントン、ふたつの協会を束ねる蔡振華のほうが出世してしまい、そのことがまた両者の関係を難しくしているようだ。
専門家やマスコミの投票結果も加味されるため、誰が60人に選ばれるのか現時点では予想しづらいが、王楠・蔡振華・トウ亜萍・容国団は確実に選ばれそうだ。60人の発表および記念式典は9月に行われる。
↓「恒源祥-最具影響力的新中国体育人物評選」の投票サイトはこちら。自分の選んだ選手にチェックを入れ、一番下の「提交」をクリック。表示された英語と数字の混じったIDを打ち込むと投票できる。「提交」の右にある「査看」で途中経過もチェックできます。
http://sports.sina.com.cn/60ren/Photo上:中国女子初の世界チャンピオンである邱鐘恵
Photo下:中国スポーツ界を代表する女傑、トウ亜萍