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 2013年度の全国中学校大会からシングルスに限り、JOCエリートアカデミー(EA)が推薦枠(8名)で出場することが3月9日の日本卓球協会理事会で承認された。
 全国から選ばれ、日本卓球協会やJOC(日本オリンピック委員会)のサポートを受けながら集合訓練を行っているEAは、設立当初、全中やインターハイの地区予選会に出ることで混乱が予想され、出場しない方針だったが、中体連(全国中学校体育連盟)がEAが出場する場合にシングルスの推薦枠を設ける。同世代での国内競争力の強化が進み、競技力向上への相乗効果が生まれるとの説明が星野一朗強化本部長からあった。
 また エリートアカデミー修了と入校内定者も同理事会で報告された。

●修了予定者 谷岡あゆか(オークワ)・佐藤優衣(淑徳大)
●入校内定者 金光宏暢(岡山・六番卓球クラブ)・浅津碧利(島根・稗原クラブ)・平野美宇(山梨・ミキハウスJSC)

 理事会ではすんなりと報告されているが、EAの選手が全中やインターハイに出るのは、全国の指導者からすると違和感があるらしい。もともとは協会やJOCの大きなバックアップの元、国際大会を目標として作られたアカデミーだ。遠征や生活費を含め、JOCからのバックアップ、協会からの人的な支援を受けている集団が、全中、インターハイに出場することがフェアなのかどうかという悩ましい問題がある。今回、全中は出場となったが、インターハイ出場は決まっていない。だが、今後はわからない。また、推薦出場という形を取ったが、県予選、ブロック予選を勝ち抜いて代表権を得る選手たちとの不公平感は否めない。

 もちろん、国際大会や日本リーグなどだけの出場機会では、EA選手のモチベーションが上がらないのも事実だ。彼らが同年代が目標とする全国大会に出て腕試ししたいという気持ちを持つのも当然だ。これはこのプロジェクトがスタートする時の設計や思想の問題とも言えそう。しかし、「話が違う。全中、インターハイに出ないということでスタートしたEAで、国からバックアップされている集団と地方で頑張っている学校が戦うのはフェアではない」という声が大きいのも協会関係者の耳には届いているのだろうか。