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中国リポート

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 今年5月の世界選手権パリ大会。会場で練習をはじめた中国チームのウェアを見て驚いた。胸と背中に入った「五糧液」の文字。中国を代表する銘酒、五糧液(ウーリャンイエ)のロゴだ。五種類の穀物を使って造るためにこの名前がある。日本代表チームにたとえるなら、ウェアに大きく「いいちこ」と入っているようなものか……(?)。

 世界的に見ても、嗜好品(酒・タバコ)の広告・CMなどの露出は、より厳しい規制がかけられる傾向にある。その中で、ビールやワインではなく、アルコール度数52度の白酒(パイチウ/蒸留酒)の広告をドーンとウェアに入れるとは……。横文字ではなく、漢字のロゴもナカナカ渋い。「そんなに強い酒が売れるの?」と思ってしまうが、五糧液は高級酒路線を突っ走ってブランドイメージの向上につとめ、業績を伸ばしている。2年ほど前には、1000mlで3万元(約48万円)という、ものすごい価格の高級白酒も発売した。

 パリ大会の中国代表ウェアでは、右肩に「DUBAI(ドバイ)」の文字が入ったのも大きな変化だ。中国リポートでもお伝えしていなかったが、中国チームは今年1月にアラブ首長国連邦のドバイ政府と、1年間のスポンサー契約を結んだ。企業ではなく、海外の一都市がスポンサーという、非常に珍しいケースだ。ウェアに地名や都市名が入るのは、何だかまぎらわしい気もするが、ドバイでは来年ワールドツアー・グランドファイナル(2013年度)とワールドチームクラシックという、ふたつの国際大会が開催。ドバイ政府も卓球の普及に力を入れているようだ。アメリカのテーブルテニス・バー「SPiN」も、初の海外出店はドバイの「SPiN Dubai」だった。

 唐突ですが、後編に続きます……。
  • 張継科の背中にもクッキリと「五糧液」のロゴ

  • 右肩には「DUBAI」の文字。シンプルです