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中国リポート

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 現在では様々な企業のロゴに彩られている中国チームのウェア。中国が代表ウェアにスポンサーのロゴを入れるようになったのは、2001年の世界選手権大阪大会から。2000年から、ウェアのオフィシャルスポンサーをイタリアの『FILA(フィラ)』から国内ブランドの「李寧(LINING)』に切り替えた中国。その翌年の大阪大会では、肩に紅双喜ブランドで有名な『上海紅双喜集団有限公司』、背中にミネラルウォーターのトップブランド『農夫山泉』のロゴが入った。

 日本では、スポーツチームのスポンサー企業が変わることは少ない。「すぐにスポンサーを降りるのは、企業イメージにとってマイナス」というのが共通認識ではないだろうか。一方、中国では代表チームでも、超級リーグのクラブでも、スポンサーがコロコロ変わる。「1年か2年やって、名前を売ったらそれで十分」だからだ。五糧液の前に、背中にロゴが入っていた大手家電メーカーの『長虹(四川長虹電器有限公司)』は07〜12年まで中国チームのスポンサーだったので、かなり長くもったほうだ。

 ちなみに五糧液を製造する五糧液集団公司は、今年2月に販売価格の不当操作を指摘され、2.03億元(約32億円)という巨額な罰金を科せられた。かつてのスポンサー『農夫山泉』の農夫山泉股份有限公司は今、ミネラルウォーターへの異物混入と水質基準の甘さによって、窮地に追い込まれている。
 また、昨年から中国チームのスポンサーになった乳製品『蒙牛』ブランドの中国蒙牛乳業有限公司は、2008年に牛乳や粉ミルクへの有害物質「メラミン」の混入が大騒動になった。この時は『伊利』や『三鹿』など、他の複数の乳製品ブランドで同じ問題が発生。中国卓球チームは当時、『伊利』とイメージキャラクターの契約を結んでいたのだが、広告にも出演していた劉国梁監督が『契約料を辞退して、被害者の救済に充ててもらいたい』と発言する事態になっている。常勝軍団・中国チームを活用してイメージアップを図る企業が、逆に中国チームのイメージダウンを招くような事態は、避けてもらいたいものです。