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中国リポート

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 今回の全中国運動会・卓球競技の会場となったのは、鞍山市オリンピックセンター体育館(鞍山奥体中心体育館)。
 中国リポート担当は、鞍山でホテルを予約しようとして、ハタと困った。この体育館の住所が、どう調べてもわからなかったからだ。大会の公式サイトに記されている住所は「鞍山市達道湾新区千山西路南側」。……なんと道の「南側」というアバウトなものだった。それもそのはず、この体育館、開幕まで1カ月を切った8月初旬でもまだ完成していなかったそうだ。

 体育館の隣に建てられた巨大なメインスタジアム(鞍山奥体中心体育場)と屋内プールは、夜になるとLEDでライトアップ。道沿いにあるマンションや、なぜか建設現場のクレーンまでLEDでライトアップされていたのには驚いた。全中国運動会の期間だけの「お飾り」なのだろう。
 ちなみに、昼間にその20階はあろうかというマンションの横をシャトルバスで通ると、「品質保証! 60日で建設中!」の赤い垂れ幕が……。ろ、60日は早すぎるでしょ。

 街の中心部から車で20分はかかり、とても市民が手軽に利用できる場所ではない鞍山市オリンピックセンター体育館。中国の新聞記者からは、「日本にも全中国運動会のような大会はあるの?」と聞かれた後で、「大きい体育館を建てて、大会の後は全然使われないようなケースはあるの?」と何度も聞かれた。「やっぱりありますよ」と答えていた中国リポート担当、「さすがにココほどひどくはないですけど」とは言えなかった。近くに大きな池があるせいか、夜になると会場の中をチラホラと羽虫が飛び交い、選手が手で追い払っているのをよく目にした。

 今回の全中国運動会のために建設された体育館・トレーニングセンターの総数は実に「25」。公式サイトには「25棟のうち9棟は大学の敷地内に建設し、大会後も継続的に学生が利用できる」「新しく建設した体育館は全体の30%を超えていない」など、少々言い訳めいた言葉が並んでいる。次回の第13回大会は天津で開催予定。首都・北京からもほど近い大都市だが、やはり郊外に巨大な体育館が建設されるのだろうか。
  • 荒野に不時着した巨大なUFOのようです

  • 場内の構造はいたってシンプル

  • ちょっと面白かったトイレの暖簾(のれん)