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中国リポート

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 世界選手権で優勝3回(91・95・97年大会)、五輪(92年バルセロナ・96年アトランタ)では単複合わせて計4個の金メダルを獲得し、世界の卓球界で圧倒的な存在感を示したトウ亜萍。その女傑が今、窮地に立たされている。

 2010年9月、人民日報と人民網の共同出資で誕生した検索エンジン「人民捜索」のCEOに就任したトウ亜萍(後に人民日報の副秘書長にも就任)。「人民捜索」は後に「即刻(Jike)」と名前を変えたが、「百度」「谷歌(グーグル中国)」など高い知名度とシェアを誇る大手検索エンジンに全く対抗できなかった。
 トウ亜萍も「谷歌(グーグル中国)」からエンジニアを招聘するなどの策を講じたが、人民日報の副主編である馬利氏、つまり身内の人間からも「巨額の投資を注ぎ込みながら、まったく目標を達成できていない。検索エンジンというビジネスがわかっていない」と批判される有り様だった。この間、トウ亜萍は北京郵電大学で行った講演で、「人民日報は創立から62年、虚偽の報道は一切行っていない」と発言。「あまりにも歴史認識があまい」「幼稚だ」とネット上でバッシングを浴びたこともある。

 そして2013年8月、「即刻」は同じ政府系の検索エンジンである「盤古」と合併し、「盤古」の親会社である国営通信・新華社の周錫生副社長が新会社のCEOに就任することが発表されたが、この合併も棚上げされたまま、「即刻」の検索サービスは少しずつ縮小。完全に開店休業状態になっている。

……思いがけず長い話になってしまったので、後編に続きます。少々カタい内容ですが、今しばらくお付き合いください。