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中国リポート

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 昨年、台湾を代表する巨大企業・鴻海グループと6千万台湾ドル(約2億400万円)・10年の大型スポンサー契約を結んだ荘智淵。JA全農世界卓球東京大会では、男子団体でチャイニーズタイペイに初のメダル(銅メダル)をもたらし、改めて健在ぶりをアピールした。

 5月8日、荘智淵は母親の李貴美とともに、スポンサーである鴻海グループの郭台銘・董事長を訪問し、世界卓球での成績を報告。メダル獲得を決めた準々決勝・韓国戦で着用したウェアとラケットを贈った。この贈り物を上機嫌で受け取った郭台銘氏のコメントが何とも面白い。
 「私がまだ成し遂げていないことを、君は先にやってくれたな!」
 実は郭台銘氏、有名な「韓国嫌い」。いや、韓国が嫌いというより、鴻海のライバル企業であるサムスンが嫌いなのだ。サムスンに追いつけ、追い越せで急成長してきた鴻海の郭台銘氏にとって、世界卓球でチャイニーズタイペイが韓国に逆転勝ちしたのは、何とも溜飲(りゅういん)が下がる出来事だったわけだ。

 郭台銘氏はよほどうれしかったのか、すでにスポンサーとして資金援助している荘智淵の卓球場「智淵卓球運動館」に加え、新たに中国の卓球訓練基地に匹敵する規模のトレーニングセンターを高雄市に建設することを提案。さっそく用地選びをスタートさせるという。それとは別に、鴻海グループ傘下の永齢基金会から200万台湾ドル(約680万円)を高雄市の卓球協会に寄付。何とも太っ腹だ。

 昨年の世界選手権パリ大会で荘智淵・陳建安が男子ダブルス優勝、さらに東京大会での男子団体3位と勢いづく台湾卓球界。韓国とはまたひと味違う攻撃卓球で、中国から金星を挙げることも多い。台湾を代表する巨大企業のバックアップを受け、今後がますます楽しみだ。
  • 荘智淵、準々決勝の韓国戦でのプレー