馬龍、樊振東ともに台上のボールに強く、チキータや台上バックドライブで狙っていくスタイルだが、今大会、特に許シンのストップレシーブに対し、どの選手も反応が遅れているように見えた。
その理由は許シンの台上技術の進化と言っていいだろう。
許シンの台上は今まで裏面ドライブとストップを使っていたが、ふたつの体勢は一目瞭然で、どちらで打つのかがすぐにわかった。
しかし、今大会、許シンは裏面ドライブの体勢からストップをするなど、フェイント技術を入れていた。
裏面ドライブがくると判断した相手は台から少し距離を取ってしまう。
許シンはそこからストップに切りかえすことで、相手の反応を遅らせていた。しかもコースはほとんどがフォア前だ。右利きの相手から一番遠いところにボールを落としていたのだ。
このフェイントを使い、若手の樊振東の台上バックドライブを封じ、馬龍からも先手を取った。
ペンドラのさらなる進化を見せてくれた許シン。
一発強打につなげる細かい技術の向上が優勝の秘訣だろう。