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全国高校選手権(インターハイ2015)

ゲームオール11−9というスコアで女子シングルス決勝を制した田口。試合後、ベンチの平亮太監督と握手した直後、涙があふれた。「団体戦で自分のせいで負けてしまって……、日本一になれて良かったです」と声を詰まらせながら語った。

5日間という決して長くはない日程の中で、今大会の田口はまさに地獄と天国を味わった。女子学校対抗では、初戦となる2回戦の華頂女子戦トップで敗れるなど、波に乗れないまま黒星が続いた。そして準決勝の四天王寺戦4番で橋本に敗れ、チームは3位。試合後に涙を流した。

シングルスも決して楽な道のりではなく、ゲームを落とす試合も多かったが、決勝は苦しい中でよく耐えた。「3ー1でリードしていて、3ー3になった時に『まだもう1ゲームある』と気持ちを切り替えた。そこから強気のプレーで行けたのが良かった」(田口)。第6ゲーム、9ー6のリードから逆転を許す展開は、カットとの対戦では相当厳しい心理状態だったはずだが、最終ゲームも中盤からリードを広げ、押し切った。誰もが手こずる橋本のハイトスのバックサービスや低く曲がるカーブロングを、バック表ソフトの球質を生かして確実に返球。鉄壁を誇る橋本のバックカットが、田口のバック強打の前にミスが続いた。正智深谷の猛練習で培った基礎技術は、最後の最後でウソをつかなかった。

また、橋本も敗れたとはいえ、今大会で与えたインパクトは非常に大きい。正確なカットとツッツキに加え、サイドスピンを入れるツッツキ、強打を何本もしのぐロビングやカーブロングなど、技術は多彩。攻撃で一本ミスが出ても、次にさらに厳しい攻撃を打ち込むメンタルの強さがある。1991年大会優勝の坂田倫子さん(元五輪代表)以来となるカット主戦型の優勝は目前だった。今後も、その活躍から目が離せない選手だ。
  • 高い集中力でカットを打ち続けた田口

  • ベンチに戻り、涙があふれた

  • 今大会「無敵」とさえ思われた橋本、本当に強かった

  • ベンチで田口を支えた平監督