小学校から同クラブで育ち、同じ愛工大附中、名電高へ進んでいる木造と高見。
試合開始からスパートをかけたのは木造だ。サービス、レシーブでの積極性、そしてすかさず強打を打ち込んで、8−1とリードを広げる。
2ゲーム目に入っても隙を見せず、木造が止まらない。6−1、7−3。受けに回る高見を打ち抜いていった。
状況が変わったのは3ゲーム目。
高見がより前でボールをさばくようになり、木造を台から下げていく。しつこく両サイドを付き、ゲームを奪った。9ー10で高見がゲームポイントを握っていた時、木造が「とっておいたストレートのロングサービス」で追いつこうとしたが、高見がバックハンドでクロスへ厳しく返球。素晴らしい反応だった。
4ゲーム目は前で勝負したい高見とそれをさせない木造の揺さぶりあい。
ここで木造のボールがスピードを増していき、高見の堅陣を崩す。
10−4でゲームポイントを握り、ややミスが続いたが11−8でこのゲームを奪取。
追いつきたい高見は5ゲーム目に何かをかえたいところ。だが、木造はゲームが進めば進むほど集中力、そして反応が早くなる。台から出る甘いボールは見逃さず、3球目、4球目の速攻で一気に畳みかけた。
中陣から放った高見のバックドライブがコートをとらえきれず床に落ちた瞬間、木造がガッツポーズ。見事インターハイシングルスを制した。
「うれしい。だけど3冠王を目標にしてきたからちょっと悔しい部分があります。昨年2位だったから、リベンジしたいと思ってずっとインターハイにかけてきた。これに満足しないで大人に勝てるように自分を鍛えたい」(木造)
技術と体力、そしてコートでの積極性、どんな相手にも冷静に対処するメンタル、すべてにオールラウンドだった木造。
勝つべくして勝った。そう思えるほど、インターハイの木造は強かった。
おめでとう。